記事の詳細

  梅田望夫さんの「ウェブ進化論」にはじめて触れたのは、昨年2006年の5月頃でした。「世界級キャリアのつくり方」の編集を担当してくださった方が、当時彗星のように現れて大ベストセラーになりつつあった「ウェブ進化論」を読んで、「世界級」を書いていた黒川さんと私がいいたいこと(編集担当の方は、秋以来、週末を使った二人の対談をずっと聞いていた)と共通点があるみたいですといっていたことから始まりました。私はそれを聞いてすぐ「ウェブ進化論」を買ったのですが、何しろ自分たちの本を出し、その周辺の活動をして、本業の大学院のクラスもする中、やっと少し落ち着いて本を手にとったのが8月でした。その前の年には、青木昌彦先生などを訪ねてStanfordに行き、何となくシリコンバレーは良い所だなあと思っていた矢先にこの本を読みました。

何しろ読んだすぐ後、「こんなにすごいことが起こっているのか」とショックだったことを覚えています。「世界の情報を体系化する」というグーグルの壮大なビジョンにも圧倒されたのですが、それ以上に私にとって印象的だったのは、「不特定多数無限大」「限りないOptimism」「従来の権威が崩壊する」ということでした。

これはすごい!今までと全然違う世界がまさに目の前に現れているのだと、感激しました。それとともに、梅田さんの「時間の使い方の優先順位を変える」など実行力に感心してしまいました。皆いってはいるけれどなかなかできることではないのに、どうやっているのだろうか、と素朴な疑問を持ちましたし、私も何とかしなくてはと痛感しました。 

私はエンジニアではないし、ネット・リテラシーも高くないので、「ウェブ進化論」の中には、インターネットの「あちら側」など何だかよくわからないこともたくさんありました。しかし、何しろすごいことが起こりつつある、そういう新しい時代の始まる時にこの世に生きていてよかった(もちろん不安もありましたが)と思いました。

 「ウェブ進化論」は、こうした革命的な変化やその意味合いを、日本や日本人にわかるように書いてある、日本や日本人への洞察力が鋭いというのが正直な感想でした。 

その後、会う人ごとに「あの本はすごい!」といい続け、実際自分でやったセミナーやワークショップでも、「ウェブ進化論」で見た言葉がたくさん登場するようになりました。(今、また「ウェブ進化論」の目次を見て、「力の芽」、「日本人一万人移住計画」など私はよく使っていたがどこから来たのか忘れていた言葉が、皆この本に出ていたことを再認識しました。) 私は、「世界級」にも書きましたが、どんな分野でもすごいと思った人や本、出来事などに遭遇すると、熱病にかかったようにそればかり言っているという傾向があります。

 実際、2006年9月頃にやった私のセミナーでは、Web2.0、ウェブ進化論が何度も登場し、一緒に対談した人に「石倉さんは、何しろWeb2.0、ウェブ進化論だね」といわれるほどでした。

 その後すぐ読んだ「シリコンバレー精神」も、シリコンバレーに起こっていることの脈動ー不安や希望すべて含めてーがそのまま感じられるような本で、とても好きでした。

 そして最近出た「ウェブ時代をゆく」。数日前から、電車の中など時間を見つけて、ドキドキしながら読みました。「ウェブ時代をゆく」は、「こういう時代に、どうしたら良いか」を具体的に示しているとても良い本だと思います。特にこの間セミナーで会った大学生など、若い人(必ずしも物理的年齢だけに限りませんが)に読んでほしい本です。

私が「ウェブ時代をゆく」から得た新しい発見は、「高速道路」と「けものみち」の話です。最近、ある分野の知識や技術だけをいくら深く身につけていても、それだけではコモディティ化してしまって、今後はあまり価値がないのでは?と考えていました。これは梅田さんのいう「けものみち」しかないのではないか(しかし「けものみち」は無限の組み合わせの可能性があるので、良いですが)と考えていたことになると思います。ですから、「高速道路」を走りぬけ「高く険しい道を行く」オプションの存在をあまり考えていなかったのです。なるほどこうした突き抜ける方法もあるのか、というのが新しい発見でした。

もうひとつ興味深かったのは、「手ぶら」という言葉です。「島宇宙」「ロールモデル」「パブリックでオープンでフリーなもうひとつの地球」などは、言葉は違いましたが、何となく似たことを考えていたと思いましたが、「手ぶらの知的生産」という言葉は、前から意味がぼんやりしていた「ネットのあちら側」というのはこういうことなのか、と感覚的に少しわかったような気がして、これも印象的でした。

 こういう時代がひらかれてくると、「自分で考える」「自分で何とかする」「自分の好きなことを徹底的に追い求め、それが実現できるように日々、自ら実際に努力する」ことが不可欠になると思います。そのためにエネルギーを高く維持し、常に前向きに考える「働き者」にはすばらしい時代が始まっている、そして誰でもそうなることができると思います。 

 私も、自分の中にカサンドラを持ち、ウェブ・リテラシー(このリストの中にあることは何もできないので)に一歩でも近づけるようにしなくては。 

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

ページ上部へ戻る