ここまでで、「戦略シフト」の主な内容、プロセスの中で考えたことなどをお知らせしました。今回は、この経験から学んだこと、これからどうするのか、など、今感じていること、考えていることをお知らせします。 
この本でいいたかったことは、何しろ広い範囲から考えよう、そしてその中で自分の強みを見出し、それを活用して、社会にも貢献しようということでした。企業は事業戦略や意思決定の範囲を狭く考えず(自主規制せず)、少なくとも考える原点は、世界・社会をといおうとしていました。

一方、新しい時代に向けての、新しい企業像、企業人の役割、事業戦略の考え方、そして日本からの発信など、広い範囲のことを書こうとしたため、全体が浅くなってしまったことは明らかです。そしてその割には、どこから資金を持ってくるのか、という事業戦略を実行していく上で不可欠な要素についての説明がありません。
同時に、時間がかかってしまったために、世界経済の急変にあたってしまい、事例などが時代に遅れてしまったこともありました。(あまりに変化が激しいので、ついこの間まではすばらしい業績を上げていた企業の業績が急転直下ということもありました)

また、当初は1年前に出す計画だったのですが、広い範囲を扱ったために、構成を何度も変えることになったことも大きな反省点でした。そしてこの原因のひとつは、本書で提案している「オープン・システム」「外部の力を活用する」という姿勢に全く逆行して、一人で書いたことにあると思います。
後半になってそれに気がつき、「オープン・システム」といっている割には、自分が実行していないとがく然としてしまいました。広い範囲の関連を示したいという意図があったため、ある程度一人でやることは仕方がなかったのかとも思いますが、もう少し良い方法があったのではないか、と今は感じています。

本書は、まだ今後の事業戦略をどう考えたらよいか、という提案にとどまっています。少し事例はあげていますが、これからは、こうした考え方が実際に使えるのか、実践するとどんな問題が起こるのか、またどんな新しい可能性が開かれるのか、などについて研究したいと考えています。
また先週大連の世界経済フォーラムMeeting of New Championsでも痛感した、日本や東アジアのRebrandやRepositioningの可能性を探り、実際にいろいろ試してみたいと考えています。「はじめに」の最後に書いたように、私の「旅」はここから始まります。