将棋の羽生善治さんと英文学者の柳瀬尚紀さんの対談からなる「勝ち続ける力」を読みました。前から読みたいと思っていた本だったし、このお二人の本を以前に読んだこともあったので、楽しみにしていたのですが、やはりとてもインスピレーションを感じる本でした。

最近いろいろ考えていることと対比して、印象に残った箇所は、いくつかあります。

―データを集めて分析し、確率の高いものを選んでいく戦略は楽しくない。偶然性、不確実性があるから果てしなく興味深い。研究会などをいろいろやっていても、実戦でないとわからないという話は、最近、分析偏重ではないか、もっと感覚的にとらえる必要があるのではないか、と思っていたので、印象的でした。。

―対局室と控室とは全く違って、近くの控室にいても全然わからないという話は、その「場」にいることがこんなに大事なのかという点で、新鮮でしたし、対局室の静けさと緊張も想像を絶するような感じを受けました。

昨年の渡辺明さんとの竜王戦の話が何度も出てきますが、特に第4局と第7局の話は、感想戦の後でもまだわからない所があったというコメントがあって、よほどすごい勝負だったのかなあと思わせられました。

羽生さんはもちろんですが、柳瀬さんが、これほどまでに夢中になる「将棋」というものの魅力に圧倒されるような気持がしました。同時に、柳瀬さんがこれだけエネルギーをかけて翻訳しているジョイスはどんな人だったのだろうか、と興味をかきたてられました。