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 最近、組織のトップをはじめとして、ある役割や任務につく「期間」について、考えさせられることがいくつかありました。

 私は、基本的にはある役割をする期間はあまり長くないほうが良いと考えています。それは

 1)あまり長くやりすぎると本人も当初の新鮮な気持ちや姿勢が失われてしまい、マンネリ化してしまう

 2)またチームのリーダーや組織のトップの場合、概して力が増してくるので、周囲が遠慮していろいろなことを言わなくなり、外の世界、現場の動きから離れた「裸の王様」になってしまうことが多い

 3)常に次世代を育てることが重要で、それはその人たちに実際にその経験をしてもらうことが一番だ、つまりどんどん次世代や新しい人に仕事や役割をまわすべきだと思うからです。

  私の限られた範囲での経験ですが、企業のトップでも、ある一時期は時代に先駆けて、斬新な視点で新しいビジネスを切り開き、本当にすばらしい業績をあげた人でも、あまり長くその地位にとどまったため、上記のうち、特に最初の2つから、結局後半は???ということになることがあると思います。ビジョンがすばらしく実行力もあり、さすが!と思う人、マンネリに陥らず常に新しいことにチャレンジしていて、すごいなあ!と思う人でも2番目の問題はよく起こるようです。そして問題は、本人にそれがあまり伝わらないという点です。

  一方、大変な努力をして、大きな改革をしたトップがあっさりやめてしまうという例もいくつか見てきました。こういう場合、周囲はまだ残ってほしいというので、そういう中で、いかにやめるかが鍵になるようです。そのためには、今までの仕事や役割以外に、次にする楽しいこと、やりたいことがないと困るのですが、そうしたことをしておられる方も周囲にいるので、両立できるのではないかと思っています。

 組織のトップまでいかなくても、あるプロジェクトの中心メンバーの一人でかなりの成果を上げた場合、2年くらいは役割を少し変えて(つまり最初はチームメンバー、次はチームリーダーのように)同じ種類のプロジェクトをしても良いと思います。(これは最初の経験をいかして、改善する点が多々あるので)。しかし、それ以上やるのはあまりよくないと思います。

  私自身、あるプロジェクトを続けてやりすぎると必ずマンネリになってしまい、新しい貢献ができなくなってしまいます。もちろん次の世代にわたすというのも非常に大きな目的です。主役は次の世代になってもらい、影からいかにサポートするか、というのが一番良いように思います。同時に、自分がやりたいと思う新しい仕事や役割にチャレンジするので、そちらでは新鮮さが失われません。 

  私が続けて同じ役割をしないように心がけているのは、上に書いたように企業や組織のトップがどういう行動をするか、どのような行動が私からみてすばらしいと思うかという理由に加えて、自分の経験があります。 

  以前つとめていた会社で、私は社員のトレーニングの担当をしていたことがあります。いろいろ新しいことを考えたり、それまでのスキルがいかせる仕事だったので、数年やりました。それなりに成果もあったと思いましたし、ある程度自負心もあったのです。しかし、その仕事が新しい人に代わりました。そうしたら、いろいろ新しいアイディアが出てきて、活動がとても活性化したのです。本当に私がいなくて大丈夫かな?と心の中では思っていたのですが、実際に新しい人の下での活発な状況を見て、正直な所、「この方がずっと良い!」と感じました。それまでは、「私に代わる人はいないのでは?」と希望的観測を持っていたのですが、時代が変わるにつれ、ニーズが変化するにつれ、ゼロベースで一番良い方法を考えられる新しい人になったほうがずっと良いことを痛感しました。だからといって、前にやった私の活動が否定されるわけではないので、(もちろんちょっとは???と思い、幾分がっかりしたのは事実ですが)「まあいいや! この方が良い。私は次のことを探そう!」という気になりました。

  この時の経験は印象が深く、今でもその時の感じを思い出します。いつまでも同じ仕事を担当するような状況になった時はこの時のことを思い出して、「まずやめよう!」という決定をしてしまいます。(まず結論を出してしまうわけです)。それからどうすればあまり周囲に迷惑がかからないか、ほかの誰かを推薦するなどの方策を考えます。実際、いろいろな仕事をしている方と食事をするような場合、「やめ方」についても、どうやっているのか、聞き、参考になるアドバイスをもらうこともあります。

  トップの話からは幾分離れてしまいましたが、今までやってきたことをそのままにして続けていると、だんだん仕事が増えてきてしまい、結局成果が出なくなってしまいます。ある程度の期限をつけて、断固やめるというポリシーが必要なのではないか、と思います。

  実行は難しいのですが、あまり長い間トップの地位にいてマイナス面のほうが大きくなりそうな人、逆にすばらしい業績をあげた後、すっぱりやめてしまう人の例を最近見たので、こんな印象を持ちました。

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