前に私が何か自分でする時に2つの違いを意識するといいました。2つの違いとは1)他の人と私の違いは何か、2)昨日(昨年)の私との違いは何か、です。この時は自分が講演をしたり、記事を書いたりする時に、意識する(最後にチェックする意味で使うことが多いですが)こととして2つの違いを示しました。

2つの違いはこうした状況でなくても考えられると思います。つまり、企業の戦略を考える場合も、よくいわれるように主語(企業)を変更してもその戦略が成り立つ場合は、差別化がされていない、つまり1)の違いが実現していないということになります。さんざん自社の戦略を考えた上で、「違いは?」と自問してみるのは、効果的なことが多いです。

また過去との違いも、時代や事業環境が変わっている場合(ここ数年はまさにそういう状況です)、今までと同じ戦略では通用しないこともあるので、ここでも念のため、これでは昔の(だいたいの場合成功)戦略のままのようだが、本当に今の時代これでよいのだろうか、と自問してみるのが良いと思います。

最近状況は違うのですが、こうした2つの違いについてを考えさせられることがありました。ひとつは、ある企業やある仕事が優れていると思い込んでしまい、他との違いを意識しなくなってしまうことです。私も企業事例やプロジェクトなど、自分自身がとても興味深いと思うものを探して、それを紹介することが多々あります。そうしているうちにその企業やプロジェクトにどっぷりつかってしまって、周囲を見ることを怠ってしまうのです。その企業やプロジェクトを追うのに時間とエネルギーを使ってしまい、実はそれが今やそれほどすぐれていない可能性があることを忘れてしまうことがあるのです。

事業戦略のワークショップなどで、良く見ますが、多くの参加者、自分の会社や業界だけしか注意が向かないというのと同じです。特に今のように情報が多く、自分の会社や業界のことを追うだけでも24時間では足りないような場合、そうしたことが良く起こります。

この間、私自身そうしたわなに陥っているのではないか、と思ったことがありました。 他の企業や業界、新しい競合や展開も見なくてはと「思ってはいた」のですが、時間がない、ということを言い訳にしてその活動を怠っていました。

そうしていたら、実は私が優れていると思っていた企業やプロジェクトが最近あまり新しいことをやっていない、のではないか、という疑問が生じてきたのです。小さなレベルでは新しいことをしているのですが、過去にやったような画期的なイノベーションが不足しているのではないか、と思い当たりました。このきっかけは業界を外から見られる人と話をしたことでした。そこで、その周辺業界の最近画期的なことをしている組織やプロジェクトを実際自身で見てみようと思っています。そうすれば、他との違いが本当にあるのか、リスクを避けるようになっているのではないか、という答えにヒントが得られると思います。