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lynda-gratton-img_3672-web-72dpi先日も少し書きましたが、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットのライフ・シフト「100年時代の人生戦略」が発売されています。

For English=> 私はこの本はすばらしいメッセージを伝える本だと思いますし、特に今高齢化、新しい働き方、テクノロジーにどう対応するか、など数々の課題に直面しているandrewscott236x169profile日本のすべての人におすすめしたい本です。
これまでもテクノロジーが進む中で将来の仕事はどうなるか、教育とスキル4.0などについて、いろいろな活動をする中で、なかなか日本で理解されにくかったコンセプトのひとつに、「学校—仕事—リタイア」という3ステージの人生はすでに通用しない、という考え方です。これまで私たちがこの考え方を主張していたのは、業界破壊が起こり、ロボットやAIが登場する中、キャリアを一社で終えることはもはやほぼ不可能だし、新しいスキルが常に必要になる、とテクノロジーと仕事の観点からでした。
一方、本書は、データから長寿化が世界で進行する中、「3ステージの考え方は通用しない」と主張している点が、まずとても興味深いし、すばらしいと思いました。また高齢化というと、とかく年金不足とか病気とか暗い話になることが多いのですが、本書は、「長い時間があるのはもっと大きな多様な可能性が開かれることだ」ととてもポジティブに長寿化をとらえています。私はなんでも明るい面を探してそれをいかしたいと思っているので、このメッセージを見てすっかりはまってしまいました。
「個人の選択が中心である」というメッセージも「我が意を得たり」という感じでした。私は国でも都市でも組織でも、それを構成する個人が強くユニークな能力・知識を持つことが最も大切だと思って、「グローバルゼミ」や「ダボスの経験を東京で」シリーズなど個人を対象とした活動を続けてきたので、「個人」の「選択」が鍵だという主張は全く同感です。
また、長寿化で関心集めることの多い有形資産だけでなく、無形の資産ー生産性資産、活力資産、変身資産という3つの資産と、どうバランスするか、特に変身資産という考え方は、あまりこれまでいわれなかったことだと思うので、参考になりました。
エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカーというステージも、これからはスキルや知識を持つ人がフリーランスで働く可能性が高まる、と主張している(自分でも実践しています!)私にはぴったりだと思いました。
一番やった!と思ったのは、年齢(エイジ)と人生のステージが一致しなくなるというメッセージです。私は団塊の世代なので、本書では3人登場する中のジャックに近い年齢です。最近一緒にプロジェクトなどをしているのは若い人たちなので、自分の年齢は忘れていることが多いのですが、たまに皆の年齢が資料に出ていたりすると、私だけがずっと年齢が高いので愕然!とすることが何度かあったのです。また2年前に定年退職したら、介護保険の支払い通知が来た時もびっくりしました。(私の父は94歳なのでそのための介護保険などは処理していたのですが、自分に介護保険料の通知が来るとは思っていなかったのです!)
本書は、「100年時代の人生設計は自分で考えなくてはならない」、「誰にでも当てはまるシナリオはない」、「自分で考え、行動にうつしていく」ことを。各年代の3人のシナリオを用いて説明しています。資金計画から、時間、人間関係まですべてをカバーしているので、背景を理解し、ああそうか、自分で考えようと思うだけでなく、具体的に明日から何をしたらよいかのアイデアや示唆に富んでいます。
特に100歳まで生きる可能性が高く、長い時間の使い方を自分なりに選ぶことができる人は、本書を参考に、今からよく考えて、自分の人生をデザインしてはいかがでしょうか。年齢にかかわらず、広い可能性が開かれていると思うと、まず何から始めようか、と明るい気持ちになりませんか? すばらしい可能性は誰にでも開かれているのです。
私は原書で読みましたが(こちらもとても読みやすいです)、日本語版も読みやすいのでおすすめです。(一部、自己効力感とか自己主体感とかちょっと読むと?と思う言葉もありますが、説明されています)。また第2章が資金計画の話なので、とっつきにくいかもしれませんが、そのあとは仕事、見えない資産、シナリオと続き、自分にも関係すると引き込まれますので、ぜひ読み進めてください。
ぜひお読みいただき、すぐ実践しましょう!私も違った分野の人と会うことをすぐ試しています!

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    • Hiroshi Takemura
    • 2016年 10月 11日

    私も原書をノロノロと読み進めていますが、面白い、画期的な本ですね。
    「2000年以降に生まれた先進国の子供の半分以上は100歳以上まで生きることになる」とは驚きです。アメリカ、イギリスは103、4歳くらい、日本は107歳だそうです。日本も戦前は平均寿命は長らく50歳に達していませんでした。当時の定年年齢は55歳でしたから、定年を迎えるということは、本当に「人生50年」、人生もそろそろ終末を迎えるということでもあったと思います。http://www.garbagenews.net/archives/1940398.html

    現在、日本の平均寿命は男女とも80歳を超えていますし、「学校-仕事-リタイア」と言う3ステージはそういい意味ではもう今でも陳腐化しつつあるかもしれません。ドラッカーも「40歳になったらこれまでとは全く違う分野の勉強(広義)を始めなさい。リタイアまでの20年間を使えば、いっぱしの専門家になっていて次のステージに進める。」といった趣旨のことを述べていたと思います。

    自分のことは自分でしっかり考えるしかないですが、今の子供たちに私たちが持っている「3ステージの固定観念に基づいた生き方」を押し付けることなく育っていってもらうにはどうしたらいいのかと考えて込んでしまいました。

  1. 私も早速購入して、今朝から斜め読みしております。ちょうどよいタイミングでこのような新しい考え方を教えていただき、とても参考になりました。60-65歳以降、私自身、その後どうすべきかを考え始めていたところでした。

    キャリア展開に必要であったため、大学卒業後 10年目でフルタイムの大学院生、20年目で別の大学院(遠隔教育)を卒業しましたが、その時々で必要なスキルを、いろいろな形で、コンスタントに生涯にわたり取得することは必須であると感じます。

    現在、40代後半で、50歳から60歳までの10年間をどう生きるかを考えて準備しております。60歳以降、さらに新しい展開をしたいと思っていましたが、そういう流れでよいのだと後押しをいただいた感じです。

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