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世界経済フォーラムのスイス・ダボスでの年次総会は先週金曜日20日に終わりました。報道やウェブキャストなどを一部見ていましたが、世界の大きな変化ー特に英国のHard Brexitやトランプ米国大統領の就任、習近平首相の初めての登場などーを反映して、いろいろな意味でこれまでとはかなり違った様相が見られたようでした。
直接こうした政治情勢とは関係ありませんが、昨年から活動してきたGlobal Future Councilの出したWhite Paperのサマリーをご紹介します。 For English=> オリジナル版はサイトから見られますが、3つの分野に分けてあり、かなり長いので、全体をまとめて見ました。

「第4次産業革命が進む中、貴重な資源である人財をどう開発・活用すべきか」
White Paper on Realizing Human Potential in the Fourth Industrial Revolution
(World Economic Forum, January, 2017)

相互に深く関連する1)教育制度、2)新しい働き方、3)子供・高齢者のケアをシステムとして捉え、解決しようとする試みの中間報告
An Agenda for Leaders to Shape the Future of Education, Gender and Work

背景
世界は、テクノロジーとグローバル化によるビジネス・モデルの変化によって、雇用や仕事の内容が大きく変化している。テクノロジーによって失われる仕事の比率については多様な見解があるが、必要とされるスキルが大きく変わりつつあることに異論をはさむ人はいない。
フルタイムの仕事以外に、多様な働き方が登場しているが、新しい働き方に関する規制、これまで雇用する組織を主体としてきた社会保障などの個人へのポータブル化は進んでいず、早急に実施する必要がある。
教育制度は、1世紀以上も変わっていず、新しい仕事、スキル、働き方への対応の整備が必要。幼児教育や今後登場する新しい職種への準備となる教育やトレーニングは未整備。
特に今後の労働市場において必要な「雇用を維持するための教育」を「雇用機会を維持するための教育」へ、「ジョブ・セキュリティからキャリア・セキュリティ」への転換を促進する鍵となる一生通じてのライフロング・ラーニングは緊急度の高い課題。
2020年には65歳以上の人口が史上初めて5歳以下の人口を上回り、高齢化・共働き世帯の増加からケアへの需要が増大する中、関係者のニーズへの対応、女性、それも無報酬の多いケアの仕事を一セクターとして認める必要がある。
女性の経済活動への参加は進行が遅く、このままでは格差解消には170年かかる。

解決への一歩—アクション
いずれの課題についても、展望は一見暗いように思われるが、今すぐ政府・企業・教育機関、その他組織などが改革へのアクションを起こせば、その傾向を反転させ、世界の70億人の人財を有効に活用することができる。

主要アクションとしては、将来を見越した教育カリキュラムや雇用サービス、職業教育の高度化、成人を対象とするリスキリングなどライフロング・ラーニングへの本格的取り組み、教師やケア人財のプロフェッショナル化、ケアのインフラやサービスの拡大、テクノロジーの活用とデジタル能力の開発などがある。
教育、雇用、ケアいずれも1)誰にでも平等なアクセスの確保 2)多様なステークホルダーの連携によるリーダーシップとガバナンス、そして教育については長期的な改革プラン、働き方については個人のエンパワーメント、ケアについては、データと測定方法の整備がシステムをデザインする上でのコア・コンセプトとなる。
成功事例として、シンガポールのSkills Future, ドイツやスイスの職業訓練システム、北欧の教育モデル・Flexicurity、米国・英国・ドイツなどに見られるフリーランスなど新しい仕事のカテゴリー化や組織化などが挙げられている。

成功事例の詳細やオリジナル版はこちらからどうぞ。このCouncilは今後も活動を続ける予定です。

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