7月27日に予定している「ダボスの経験を東京で」第60回は、この名前、形式で開く最終回となります。For English=> これまで5年間このシリーズに参加してくださった1000名強の参加者の皆さんには、最終回であることとこれまでのお礼をお送りしました。
このブログでは、私個人がどんなことからこのシリーズを始め、続けてきたか、そして次 のステップをどう考えているか、をご紹介します。

私のビジョン
私の人生のビジョン・やりたいことは、年齢、性別、国籍、経歴などに関係なく、個人が自分の能力を最大限に伸ばし、いかせる環境を創ることです。世界で活動したいと考えている個人になるべく多くの機会―気楽で簡単に参加できる機会―を提供できれば、より良い世界が生まれると考えています。

私が「個人」に注目しているのは、最近のようにいろいろな分野を区切ってきた境界がなくなりつつあり、個人がいくつもの場所でいくつもの役割を果たすことができる時代、そして変化の激しい時代にあって、プロジェクトでも組織でも都市でも国でも、その競争力を決定するのは個人だと思うからです。

「ダボスの経験を東京で」シリーズの展開
2013年初めから、世界で活躍したいと考えている多くの方々を対象に、世界の話題に触れ、意見を自由に共有できる「場」をつくる、同時に、同じような関心や高い志、そして行動を起こす意思を持った人々のルースなネットワークをつくることを目指して、このシリーズを始めました。
日本では、世界で今議論されている課題に触れ、リスクのない環境で、英語を用いて自分の意見をまとめたり、共有・議論する機会がほとんどないことも、こうした機会を創ろうと強く望んだ理由でもありました。
過去5年間、毎月このシリーズを続けてきました。多様なテーマを選び、ゲストをお招きしたり、企業と提携して企業の課題を外部の人たちとも議論するセッションもかなり行いました。
なるべく多くの方に知っていただくため、書籍に書いたり、セミナーやワークショップで紹介したり、リピートを増やすためにYoko’s barというイベントも10回ほど開きました。

5年で変化したこと、かわらないこと
実際試したことから、どんな方法がうまくいき、もっと改善が必要なのはどんなことか、などがわかってきて、いろいろな形式を試しました。会場にこられない人のために考えたバーチャルなフォーラムは問題が多々あって、中止しました。一方、英語力の弱さを気にしている参加者を最初からひきつけ、積極的に参加してもらえるヒントもわかってきたので、フォーマットも少しずつ変えてきました。

しかしシリーズを通じて変わらないこともあります。ひとつは英語ですべて行うことです。それは、当面は「英語」が、世界で活動するためのデファクト言語であり、翻訳ソフトが進化してもこの状況がある程度は続くと思われるからです。英語は世界を探検するための「道具」ですから、うまく使えるようになるにはなるべく多く使ってみなくてはなりません。
また登録プロセスを簡単にすることで、参加者が試しやすいようにしたり、セッションの後、インフォーマルなネットワーキングセッションをして、同じ興味を持つ人々がお互い知り合える機会を作ってきました。

今後?
当初掲げた目的―コミュニケーション能力を磨き、ブレーンストーミングやディスカッションを実践する経験を経て、世界のどこでも活躍できる個人を多数つくるーは達成されたでしょうか。これまで1000人以上の方が参加し、中には協働プロジェクトや、新しい活動も生まれているので、この目標はある程度達成されたと考えています。
そして今、第60回を最後に、次のフェーズに進むべきだとも感じています。2018年の世界が2013年とは全く様変わりしています。地政学的課題の重要性が増し、保護主義やナショナリズムが力を持つ中で、「グローバル」の哲学や潮流が今後も世界の原動力となるか、については、大きな疑問が生じています。日本社会がこうした世界の変化に対応しているか、については意見がわかれるところでしょうが、こうした世界の状況について深く考え、自分の見解を多くの人と共有し、今ある問題の解決を目指すのは「個人」の責任だと確信しています。

「ダボス」から「進化SINCA」へ、アクションの段階へ
「ダボスの経験を東京で」という名前でのシリーズは終了し、新しい名前で、新しい試みを始める予定です。新しいシリーズは、仮にSINCAと名付けました。SINCAは日本語の「進化」つまり「前に進む」ことに通じますし、Sharing Innovative & Creative Actions”の頭文字をとっています。
これまでの「ダボス。。」第1フェーズでは、課題に触れ、自分の見解を持ち、それをブレーンストーミングやディスカッションの形で周囲と共有する、いわば「Talking」を中心としてきました。
SINCAのフェーズでは、参加者がオープンな環境において、問題を「当事者」としてとらえ、同じような意識と目標を持つ人々と解決案のアイデアを探し、どんなに小さなものでも議論したことを試し、実践するという「実践・アクション」を求めています。つまりいわゆる「Walk the Talk」を目指しています。
そのローンチイベントを9月29日(土曜日)16時から開きます。ぜひご参加ください。今年後半から始める新しいシリーズの詳細は今企画中ですが、この日に皆さんにご紹介して、フィードバックやアイデアをいただきたいと思っています。

終わりに
これまでこのシリーズに参加してくださった多くの皆さん、またいろいろな形でサポートしてくださった皆さまには本当に感謝しています。このシリーズから得るものがあったと感じていただければ、幸いです。このシリーズの場と事務局をしてくださったウィルソンラーニングワールドワイドの方々には、長い間サポートしていただき、心から感謝しています。こうしたサポートがなければ、ここまでシリーズを続けることはできませんでした。

これまで参加してくださった皆さんだけでなく、具体的で目にみえる結果を出す「アクション」にご関心をお持ちの方々、これまでの感謝とともに、新しい取り組みへのサポートをお願いします。世界を目指すこの旅の次のステップへ、ともに進みましょう。ありがとうございました。