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昨日3月16日夜、ホテルオークラでハーバード大学Faust学長を囲むディナーが開かれました。For English=> Faust学長の来日は初めてということもあり、Harvard Club of Japanの主催で300名以上が集まりました。ハーバードの卒業生はもちろん、ルース大使、Ezra Vogel教授、ビジネスその他ハーバードと関係が深い方々も多数出席されていて、三菱商事の槇原さん、ソニーの出井さん、オリックスの宮内さんはじめ、久しぶりにいろいろな方とお目にかかることができました。

まず隣の部屋でカクテルがあり、その後着席ディナーになりましたが、同じテーブルの方々(今回はよく存じ上げている方はおられませんでした)とまず名刺交換などをして、話が始まります。

ディナーの前にHarvard Club of JapanのCarl KayがSpeechをして、Vogel教授が紹介され、Toastでした(どなたがToastをしたか忘れてしまいましたが。。)その後、ディナー。デザートのあたりでFaust学長のスピーチがありました。(私はFaust 学長は1月のダボス会議のHarvardのideaslabとHarvard のレセプションでもお目にかかっています) スピーチのテーマはいまハーバードで何が起こっているか、日本との関係で、その後質疑応答が行われました。

ハーバードの状況の話で興味深かったのは、各分野の融合への努力、新しい分野(ルネサンス・エンジニアリング)の開拓などの話でした。Convergenceはどこでも良く聞く話ですが、実際に何をしているかが興味深いものでした。

気になったのは、日本人の学生数が非常に少なく、学部レベルで5人(だったと思います)しかいないという状況でした。これまで多くの日本人がハーバードにいっていたために、350名規模のディナーができるのですが、このまま行くと、日本人卒業生はどんどん数が減ってしまいます。一般的に外国に留学する日本人の数が減っていることは事実なので、その後もこの問題をどうするか、が話題になりました。

Faust 学長の話はComprehensiveで興味深いものでしたが、一番おもしろかったのは質疑応答です。30分位時間をとって数々の質問が出ましたが、当意即妙、具体的な事例や逸話を含めて、ユーモアのセンスのある受け答えはとてもすばらしいものでした。

Faust学長を紹介された槇原さんのお話もユーモアのセンスにあふれ、「間」が秀逸で、感心してしまいました。どうやればあのようにリラックスして、みなをEngageできるのか、と。

質問も全体的にはとても良いものが多く、若い人からの質問がほとんどだったのはとても素晴らしいと思いました(私は今回はしていません!)。印象に残ったのは、金融システムが崩壊してWall Streetに行くという既定路線?がなくなった今、人生やキャリアをどう考えるべきか、そのような問いにどうこたえているのかという質問でした。

私も学部では、Liberal Artsなど一般教養やDisciplineをするのが良い(Business Administrationなどではなく)と思っていますし、理系文系の区別は??と思っているので、歴史学が専門のFaust 学長のコメントはとても興味深く思いました。

こうした場における紹介やスピーチ、質疑応答の力はやはり実際の「場」を沢山体験すること、実際に自分でためしてみることが必要だと思うので、留学する人が少なくなっている日本の若い世代の状況には危機感を感じます。多分、こうした場にいる私たちが留学の魅力や自分の人生に与えたインパクトをうまく伝えていないのかもしれません。ディナーの後、何人か友人と「実際にどうするか」について考え、実行することを約束しました。(どんどん忙しくなりますが、今の状況が続くと10年後の日本は危機的状況になると思います)

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コメント

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  • コメント (10)

  1. こちらのブログでは初めまして。
    AGUのSIPEB(いまはSIPECって言うんですよね)1995年卒の者です。
    Twitterで石倉先生のお名前を拝見して、懐かしく感じ、さっそくフォローさせていただきました。

    > 留学する人が少なくなっている日本の若い世代の状況には危機感を感じます。多分、こうした場にいる私たちが留学の魅力や自分の人生に与えたインパクトをうまく伝えていないのかもしれません。ディナーの後、何人か友人と「実際にどうするか」について考え、実行することを約束しました。(どんどん忙しくなりますが、今の状況が続くと10年後の日本は危機的状況になると思います)

    巷間伝えられているように、デフレで若い人たちがどんどん貧しくなってきて、留学に行けるだけのお金をひねり出せなくなってきているからではないでしょうか。それと、すでにこの国自体もじり貧で危機的な状況に陥っていると思います。

    かく言うわたしも人のことは言えないのですが(..;)、機会と資金があれば、ぜひ留学にチャレンジしたいです。

    • yishikura
    • 2010年 3月 23日

    ほのおさん、石倉です。コメントありがとうございます。
    そうですね、貧しくなってきていることもあるかもしれませんが、その気になって少しでもお金をためて、一度行ってみると、世界が変わると思います。 その人が非常に優秀であることがわかれば、誰かが何とかして資金を探してきて応援してくれる、ということを何度も聞いたことがあります。実際私の友人の友人にもいます。
    アメリカ人学生もほとんどはローンを借りています。(だから卒業時は借金だらけです)

    機会は待っているだけではこないので、自分で切り開かなくてはならないし、今では米国の大学の講義や教材はほとんど無料でダウンロードしてみたり聞いたりすることができるので、日本にいてもかなりの準備はできます。

  2. 初めまして。黒川清先生のブログサイト経由でこちらに伺いました。
    黒川先生を始め、日本人はもっと海外に出て行くべき、とか女性の活躍の場を増やすべき、といった声が多いですね。確かに最近の日本の若者は元気がないのかもしれません。相対的に、米国や新興国の若者のほうがHungryでAggressiveなのも事実かもしれません。
    でも、この情報過多の時代に、そうした人たちを見る機会が増えるほど、かえって自分自身の価値観を見つめる前に、「こうするべき」というお仕着せをまとわざるを得なくなる人も結構多いのではないでしょうか。…という思いをこめたブログをUP(http://miltlumi.exblog.jp/d2010-03-24)したばかりだったので、僭越ながらコメントさせていただきました。

    • yishikura
    • 2010年 3月 28日

    みるとるみさん、石倉です。コメントありがとうございました。ブログも見せていただきました。
    それぞれ人によって違うと思いますが、私は海外へいったり、いろいろな価値観を持つ人たちと会ったりしたことで、いろいろな生き方があることを実感しました。それまでは価値観が違う人がいて、それぞれハッピーそうに暮らしていることが体感できなかったのですが。 それで「こうするべき」というのはなくて、自分の人生は自分で考えれば良いのだなと思いました。

    • hiroron
    • 2010年 3月 30日

    石倉先生、初めまして。
    普段から、石倉先生と黒川先生のブログを拝見しており、初めてコメントさせて頂きます。
    先生方の著書・ブログにはアメリカ留学者の減少を嘆くコメントが多く見られます。今回の文章もそうですが、「ハーバードの日本人学部生が5人(少ない)」なのが、なぜいけないのか、その原因はなぜなのか、アメリカ国内のその他の大学に流れている可能性はないのか、アメリカ以外のアジア・ヨーロッパへの日本人留学生の数はどう変動しているのか、そもそも先生方の想定する”アメリカ留学”はハーバード並びにそのレベルの最高学府のみを意味しているのか、そうだとしたら、それはなぜなのか、などといった考察がありません。
    アメリカ留学に興味のない人にとっては、これは、”アメリカ留学”を経験した人の単なるヒステリーにしか受け取れないのではないでしょうか。
    そもそも、なぜ”アメリカ留学”がよいのか、という命題に対する明確な回答がないのです。もしくは示されておりません。感情的には何となく伝わってきますが、それは、興味のない人をその気にさせるだけの説得力には欠けるのです。
    アメリカ留学の経験のある先生や黒川先生がいくらアメリカ留学を勧めたからといって、明確の理由がなければ、社会的に自分は成功していると思っている人々が、自分の生きた道を勧めるだけのこと、”自己肯定”的な文章にとどまるのみです。アメリカ留学を経験された方々は、必ずしもアメリカ留学を勧める人だけではないのです。それはなぜでしょうか。それらの考察をしない限り、アメリカ留学を推進することはできないでしょう。しかも、10年後に日本は危機的状況になる、というヒステリー的なコメントも根拠を示さなければ、全く伝わってきません。

    私は決して反アメリカ主義ではありません。なぜならば、私は社会人でありますが、数年以内にアメリカへ留学しようと思っているからです。しかし、先生方のコメントはとても上記のことから同調しかねます。

    • yishikura
    • 2010年 4月 04日

    hiroronさん、石倉です。コメントありがとうございました。ご指摘のあったデータを再度確認していたため、お返事に時間がかかってしまいました。

    留学生などの推移については、以下を見ていただくと良いと思います。http://www.anokuni.com/contents/ryugaku_data/ryugaku_data_081101.pdf

    またなぜアメリカでなくては、ハーバードでなくてはいけないか、というコメントをいただいていますが、私自身はアメリカしか、ハーバードでしか、といったつもりはありません。(実際、私自身の留学先はSt. Mary、バージニア、で最後だけがハーバードです)。 アメリカでなくてはならないというつもりも全くありません。分野によって、良い大学や大学院は世界各地に散らばっていますので、ご関心のある分野について、どこが良いか、研究対象の教授がそろっている所はどこか、などを調べてみるのが良いと思います。
    また、今や英語の講義やシラバスは世界のどこにいても、ネットで見たり、聞いたりできる大学も多数あります。

    「10年後に危機的状況」といったことにもコメントをいただいていますが、人材は開発するのに時間がかかるので21世紀に必要な能力を持つ人材を開発するためにははやく手をつける必要があるのではないか、という意味です。またリーダーは危機的状況の中から生まれるということも歴史学者や経営ではよく聞かれることです。良く言われることですが、「危機」は危険の危であり、機会の機なので、可能性も大きいと思います。

    最後になりますが、私のいる一橋大学大学院ICSは英語でMBAのコースを提供しています。東京にいながらにして、世界に目を向けるという点で、もしビジネススクールにご関心があるのであれば、ぜひご検討ください。(留学前の腕試しでApplication Formを書いてみるのも良いと思います) 最近は日本人よりそれ以外が多く60-70%、クラスはまさに「多国籍、グローバル」です。

    今ちょうど来年度のための面接をしていますが、秋にはオープンキャンパスが何度か開かれますので、お越しください。またウェブサイトもご覧いただけると幸いです。 http://www.ics.hit-u.ac.jpです。

  3. アメリカの大学留学、特にHarvard Collegeなどの一流大学への留学、という側面で、現在の日本の高校生の動向、雰囲気というものを観察していますと、戦う前から戦意を喪失した弱者の群れ、という印象を強く抱かざるを得ません。
    アメリカの一流大学に「行かない」のではなく、行きたいが「行けない」、国内の大学に「しか」行けないのが実態ではないでしょうか。

  4. 追記です
    先生の文中に「ディナーの後、何人か友人と「実際にどうするか」について考え、実行することを約束しました」とございますが、私見では、それは次のような内容を「一般常識化」することだと考えます。しかし、そのことを、いくら私がBlogで書いても「権威なきもの」の戯言としか受け取られません。事態を打開するには、先生のような危機意識をお持ちで社会的地位の高い方々が「アメリカ名門大学進学ガイドブック」を作成し、全国の高校に無償配布を行う、というような方法が必要であると信じます。

    その内容は、例えば、中堅以上のアメリカの4年制大学に入学するためには:
    1)TOEFL iBT100を達成しなければならない
    2)SAT Reasoning Testの受験が必須である
    3)アメリカのトップランクの「私立」大学は留学生にもNeed-BasedのFinancial Aidを出すが、州立などの効率大学は原則として留学生にはFinancial Aidを支給しない
    4)Harvardは家庭の年収が6万ドル未満であれば授業料と寮費が全額免除となる
    5)Harvard、Yale、Princeton、Dartmouth、Cornell、MIT、Amherstの7大学は留学生にもFinancial Aidを申請してもNeed-Blindで合否判定をし、合格した場合にはFull Need-metのFinancial Aidを支給するということを周知する
    6)アメリカのFinancail Aidは主としてGrantであってローンではなく、従って返済する必要がない

    • yishikura
    • 2010年 4月 15日

    mantisさん、石倉です。コメントありがとうございます。今朝もこの点について、朝食会で話をしていたのですが、かなり意見の違いが見られます。皆自分の周囲にいる人をレファレンスにしているので、(データでは傾向が出ているのですが)、現状の認識、解決案の方向性や具体化に意見が百出しがちです。
    いただいたご提案は、来週友人と会う時にも参考にさせていただきます。ありがとうございました。(お返事が遅れて申し訳ありません)

  5. 石倉教授
    正面からお答え賜りうれしい限りです。
    今年、3名が合格し、3名がW/L入りしているようです。一人は灘、あとの2名は性別、出身校は不明です。中国は最近は毎年10名が合格しているようですので、のんびりしている時間はございません。
    ベネッセがビジネスとしてHarvardを目指す塾をやっていますが、好ましいこととは思えません。先生方の動向如何にかかっていると思います。

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