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先週金曜日、1月25日、「増大するデータや情報、ニュースの力―私たちはデータについて何を理解し、このパワーにどう対応すべきか」というタイトルで今年第1回のSINCAセッションをしました。For English=> 

エキスパートのゲストはWall Street Journal Japan(日本語版)の編集長 西山さん、そして朝日新聞のデジタルイノベーション本部の井上さんです。このテーマとセッションなどをご相談していたBuzzFeedの古田さんは、前日から体調不良で、残念ながら欠席でした。

北風が冷たい日でしたが、50人近い参加者(半分近くが初めての参加ということでした)にお越しいただき、今いろいろな点で話題になっているデータ、情報、ニュースについて話しあいました。

私が「あけましておめでとうございます。楽しいお正月を迎えられたと思いますが、休みはもう終わりですから現実にもどりましょう!」という?というコメントからセッションを始めました。

最初に西山さんと井上さんの現在のお仕事について伺ったのですが、いずれもデジタル(紙でないという意味です)のニュースを担当しておられて、西山さんは、世界から日本の主にビジネスマンに関心がありそうなニュースを伝える、それも日本のメディアとは差別化を常に目指している、といっておられました

。井上さんのデジタル。。。本部は、ニュースを配信するチャネルに進出しているという点で業界構造を変えよう、それも朝日新聞に限らずいろいろなソースからニュースをピックアップするキュレーションをしているということでした。こう考えると、昔(今もか?)よくいわれていた「戦略」の考え方が、デジタル化が進むこの業界にも用いられているのだ、と感じました。

私が個人的に興味深いと思ったのは、ゲストが「日本のメディアの質が高い」「日本人のメディアリテラシーはかなり高い」と仰ったことです。(私は日本のメディアはいわゆる権威の話をそのまま伝えるだけだし、どこも同じような報道だと思っていました。またあまり問題意識を持つことを奨励されていないし、権威ある組織からの見解を求める傾向があるから、日本人のメディアリテラシーはあまり高くないのではないか、と思っていたのです)

エキスパートのこうした意見を伺うのは自分の意見をもう一度考え直すという意味でもとても有意義だと思いました。

また今さかんに話題になっている「fake news」につぃても、お二人は「fake news」はずっと前からあった(選挙の時の怪文書など)けど、デジタル化が進み、誰でも簡単に発信できる、自分がみているニュースをすぐretweetしたりポストできるため、スピードと広がりが変わった、というコメントをされましたが、これにははなるほどと思いました。

ここから、今日の世界でのメディア・リテラシーがいかに重要か、という話になりました。ビジュアルなfakeは識別がとても難しいという話もでました。メディアリテラシーについては、大人(つまり両親や先生)も今の時代に必要なメディアリテラシーを子供、若い人と一緒に学び、身につけることが必要だと私自身強く感じました。すぐできることとして、「一見おもしろそうなニュースやデータをみた時に、あまり考えずにすぐクリックして他に送る」のではなく、ちょっと待つことがまず第1歩ではないか、とも思いました。

そんなことを考えていたら、ノーベル賞を最近授与された本庶佑先生が「教科書に書いてあることをそのまま信じてはいけない」と若い人向けにメッセージされていたことを思い出しました。何事も疑ってかかる、というと?と思われるかもしれませんが、常に好奇心と問題意識を持ち、本当にそうかな?と疑問を持つことがとても大切だと思います。

大学生で新聞を読む人は1%程度というゲストのお話を受けて、今回の参加者に聞いてみたところ、もうすこし比率が高かったこと、でも多くの人はほとんどのニュースをソーシャル・メディアから得ているということから、記事をどう書くか、などにも影響があると思いました。(ほとんどの人はソーシャルメディアでニュースを追う場合、見出ししかみないことが多いようなので)

参加者によるグループディスカッションにはあまり時間がとれず、またテーマを自由に考えていただいたので、解決案やアクションより、問題の提起に終わってしまい、かなり消化不良だったかな、と思います。このテーマは幅広いですし、いろいろな側面から考えられるので、もっと焦点をしぼった議論をするとか、ディベートやロールプレイなどフォーマットも考えるなどいろいろな展開があるので、また続けてやりたいと企画しています。

全体を通じて、ゲストの前向きな姿勢にはとても勇気づけられました。データ・情報・ニュースなどというとマイナスイメージ、後ろ向き、悲観的な見解がよくみられる中で、この業界のエキスパートが前向きな見方をされているのはすばらしいと思いました。膨大な情報の波に押し流されるのではなく、私たち一人一人がよく考え、ニュースや情報を鵜呑みにせず、考えずにポストしたり、転送したりする前にちょっと待て。という姿勢を持てば、リテラシーもあがるし、より自由にもなるのではないか、と確信しました。お二人のゲスト、そして参加者の皆さま、ありがとうございました。

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