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昨日5月25日の日経新聞40面に、たまたま次世代に芸術を伝えていくための具体なプログラムが2つ出ていました。ひとつは、河竹さんの「私の履歴書」にある、「歌舞伎教室」、もうひとつは野田秀樹さんがやっている東京芸術劇場の「千円シアター」です。いずれも若い世代に、プロの優れた芸術を直接触れてもらおうという試みです。こうした試みは、とても意義があるものですし、私もこの2つについてはあまりよく知らなかったので、歌舞伎教室が60年間続けられてきたこと、野田秀樹さんがこうした試みをしていることはすばらしいと思いました。(野田秀樹さんの演出する公演はすぐチケットが売り切れてしまい、なかなか買えません!)

ニューヨークでも、カーネギーホールやリンカーンセンターなどで、とても安い料金で提供され、一流の指揮者が、曲の背景やストーリーを説明し、演奏者を紹介しながら、すばらしい音楽に触れられる子供・家族向けのプログラムがあります。私自身、何度かこうしたプログラムに行きましたが、とてもわかりやすく、また子供を飽きさせないように注意をひきつけながら、マナーなども教え、音楽のすばらしさを説明する技術には本当に感心することが多々ありました。ラッシュ・チケット(というのだと記憶しています)など、学生向けの安いチケットもあり、なるべく多くの人に優れた芸術を知ってもらおうという試みがあります。

日本でも「子どもに音楽を」というNPOや劇団四季の「こころの劇場」、サイトウキネンオーケストラなどもこうした試みをしていますが、特に歌舞伎や能、狂言、日本舞踊など日本の芸術を若い世代に伝えるプログラムはすばらしいと思います。(たまたま今読んでいる本で留学する前に歌舞伎を見に行ってイヤホーンガイドで説明するのに感銘を受けて、その後、コンピューターの応用を考えるアイディアを得たという話が出ていて、偶然に驚きました。。。)

私自身、日本の芸術に直接触れる機会があまりなく、ごく最近になって、いろいろ行っていますが、なるべく若い時に一流のものに直に触れるこうした機会があると、「感動」を自ら体験できると思います。このあたりが「コンセプト」「社会システム」を考えられるきっかけになるのではないでしょうか。(この点については、また続けます)

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コメント

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  • コメント (4)

  1. 以前ベンジャミン・ザンダーがTEDでクラシック音楽を誰にでも感情移入できる形で分かりやすく解説し(映像はこちら:http://www.ted.com/talks/lang/jpn/benjamin_zander_on_music_and_passion.html)、「なるほど!そういうことだったのか。」というA-ha momentを得るとともに大きく感動しました。子供に対してももちろん大切ですが、大人にもパッションのある芸術家が「分からないのは(勉強不足の)お前らが悪い」的な伝え方(そちらのほうが多いような気がします)ではなく、聞き手の立場にたって、飽きさせないやり方で、自分のメッセージを伝えきる工夫をして欲しいです。

    私自身最近、いろいろな偉い方のプレゼンを聞きに行きますが、「偉いから聞いてもらえる」と甘えている方が多いような気がします。

    威厳ではなく、ザンダー氏の一瞬で心を捉えてしまう人懐っこさ。そしてあの強力なメッセージ力。こうした人、どんどん出てきて欲しいものです。

    • maki
    • 2010年 5月 27日

    都内の中高で育ちました。学校で「歌舞伎教室」に行ったり、
    能楽堂での「能観賞」の時間がありました。
    反抗期だったこともあり、いずれも義務で行っていた怠惰な生徒でした。

    でも、心に浴びたものは残っていたようで、
    成人してから、歌舞伎の面白さにはまり歌舞伎座には何度も足を運びました。

    子どもの頃に撒いてくれた種があったからこそ、
    大人になった今、良さがわかるようになったのかもしれません。
    少なくとも「自分で初めて行く」ときのの敷居が低くなったことは確かです。

    なので、子どもや若い世代に向けた取り組みには、
    その場その時の反応だけでなく、長い目で効果を見て欲しいと思います。

    クラシックでは、日本フィルも子ども向けの夏休みのコンサートをやっていて
    レベルも高く、親の私も毎年感動しています。

    一方、「子ども向け」と称して有る程度のお金を取りつつレベルが低い舞台に出会い失望することもあります。

    また、「本物」を体験するのに、地方差もあるのではないでしょうか。
    歌舞伎を初めて見る若い人には、地方の普通のホールでの舞台もいいですが、国立劇場や歌舞伎座の劇場内外の雰囲気も併せての体験は断然違うと思います。

    • yishikura
    • 2010年 6月 02日

    大塚さん、石倉です。Ben ZanderのPerformanceはすばらしいですよね。私は10年前に初めてダボス会議に行った時に直接触れて、とても印象に残っています。

    • yishikura
    • 2010年 6月 02日

    Maki san, 石倉です。コメントありがとうございます。何しろ一流に触れるというのが鍵だと思います。
    全体の雰囲気、その場の輝き、限りないですね。

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