ドーハでは、これまでにないほど、自分の力のなさを痛感しました。For English=> 世界レベルの課題ー開発、経済、安全保障、持続性の4つのトラックに、教育、気候変動、世界レベルでの協調、ヘルス、金融システムなど25の分科会があるーを世界各国の人々(今回は政府関係、学界、国際組織などが中心)と議論する場においては、朝から晩まで集中して英語で議論できる精神力と体力、ただアイディアを語るのではなく、現場を知っていること、活動を実践した結果とそこからの教訓、そして自分の専門分野でのユニークな特色がないと、議論にも参加できませんし、ほとんど貢献はできません。

これだけ世界の多極化が進み、価値観が揺らいでいる中で、教育がいかに重要か、世界にまだ多くある初等教育さえ受けられない人々に技術などを活用してプログラムを提供するか、次世代の教育、ヘルスへ大きな影響力を持つ女性に対してどう働きかけるか、国連、世界銀行、IMFなど国際的な組織と新たに力を持ちつつあるG20の役割分担をどう考えるか、金融システムの規制などを考えた場合の世界・地域・国の役割の切り分けなど、課題は複雑ですし、変化のスピードは速く、世界はどんどんInterconnectedの性格を強めています。そして、こうした課題を世界レベルで解決するための案は様々ありますし、それぞれかなり良く考えられています。難しいからといって先送りすることができないことは皆良く認識しているので、いろいろな形で次のステップを進めようとするわけです。

こうした中にいると、日本がこうした世界の課題からかけ離れていることを実感します。現在多極化しつつある世界の状況、緊張が高まっている地政的な問題も含めて、課題の立て方も解決案の考え方も、世界観や歴史観、現場感覚がないように思われます。

こうした中でスピーカーとしてきちんと意見を言い、世界から尊敬される日本人は緒方貞子さんです。今回も緒方さんがいらっしゃらなければ日本の存在感はほとんどなかったと思います。しかしいつもいつも緒方さんに頼っているわけにはいきませんし、自分自身、少しでもこうした場で発言できるだけの実績をどうやって持つか、アジアの諸国のようにこうした人材の層をがいかに厚くして、こうした状況を打開するか、と考え、今回は挫折感、焦燥感を強く感じてしまいました。

とドーハでは日本と世界の間にある計り知れないほどの距離を感じて、かなりがっくりしたのですが、一方、最近私が触れる機会を持ったTEDxTokyoやSony CSLのオープンハウスで見たイノベーティブなアプロ―チ、Creativeな考え方、アート・技術など伝統をいかしつつ斬新なことをしている人々がかなりいることも確かだと気つきました。

日本は一部をみると、世界とかけ離れているように思えますが、日本には二つの全く違う世界があって、いろいろなことにチャレンジしている人々、アート、技術という世界があるのだと思います。

こうした中で、痛感した自分力のなさを逆に用いて、日本(とこだわる必要がないともいえます)やその他の地域にあるすばらしいものや人を世界にアピールしていく、日本と世界に橋をかけることができるのではないか、それが私の役割となるのではないか、と考えています。実際、いくつか具体的なアイディアを考えたので、すぐ実行できるか、感触を確かめ、いけそうなら、どんどん働きかけるつもりです。何しろ実行してみないと何も始まらないので。。。