ここ数週間のうちに、いくつか大きな将棋のタイトル戦が行われています。一番のハイライトは先週、ここ5年くらい森内俊之さんが維持していた名人位を挑戦者の羽生善治さんが奪取し、永世名人資格保持者(十九世名人)になったことです。名人戦は竜王戦と並んで、タイトル戦の中でも大きなイベントと聞いていますし、特に名人戦は挑戦者になるまでのプロセスがとても大変です。

 私自身将棋はできません(2年ほど前に羽生さんの就位式に招んでいただき、スピーチをしたことがあるのですが、その場で今年こそ「将棋を学びます」と宣言しておきながらーその気はあるのですが、将棋のルールを知って指せるようになるほどの時間と余裕がないーオオカミ少年になっています!)が、「世界級キャリアのつくり方」にも感想戦のことを書いたように、興味は持っています。私がとてもすばらしいと思っている梅田望夫さんも将棋が大好きで、今進行中のもうひとつのタイトル戦、佐藤康光棋聖に羽生さんが挑戦している棋聖戦の観戦記を書いています。(ここに書かれている感想戦の描写はとてもすばらしく、どんなに梅田さんが感動したか、読んでいるだけで感じられるようです)   

  名人戦は羽生さんの42敗で終りました。実力のある森内さんがなかなかタイトル戦で勝てず、とうとう名人になった時は(この時も就位式によんでいただきましたが)、本当によかったと思って感動しましたが、今回羽生さんが名人に返り咲いたのもとてもすばらしいことだと思いました。  

  将棋やスポーツは勝負の世界なので、明らかな勝者が決まります。ゴルフと同様に圧倒的な技術や能力が決めてである(と思われる)ので、それだけでも一流のすばらしさを感じることができますが、こうした大勝負の場合は、それに加えて、気力、精神力、集中力、決断力などの圧倒的なレベルに感銘を受けます。ゴルフのTiger Woodsもそうですが、特に将棋のように二人が対戦する場合(今回のUSオープンは二人のプレーオフでしたから、幾分こういう感じがありました)は、必ず一方が勝ち、一方が負けるので、その緊張感はネットなどで見ているだけでも圧倒されます。こうした大勝負における集中力、気力のすごさ、そして勝負がついた後の両者の対応など、感銘を受けることが多いです。