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 梅田望夫さんがiPad専用で書かれた「iPadがやってきたから。。」を読みました。伝説のプログラマー中島聡さんとの往復書簡の前半は、方式・内容ともにとても興味深いし、後半の産経新聞のコラム「ウェブ立志篇」をまとめた部分も、ああこういうことだったのか、とか、とても共感するコラムが多く、読んでいて楽しく、そしていろいろ新しいことを知ってとても有意義でした。発売されてもちろんすぐ買って、カナダでも読んだのですが、少し考える時間がほしかったのともう一度読み返したかったので、このブログに書くのが遅くなりました。

 私は中島さんのことを全然知らなかったので、最初の往復書簡はとても新鮮な気持ちで読みました。増える往復書簡という形式もとてもエキサイティングです。(買ってすぐチェックした時は、まだこのご本に書いてある部分しか出ていなかったのですが、今見てみたら、読者からの質問も来ていて、とても興味深い対話が続いています) お二人の対談で印象に残ったのは、アップルとグーグルの比較で、大都会かディズニーランドか、オープンかクローズか、あちら側とこちら側かなど、最初は、AかBかなのかな、と思っていると、実は必ずしもそうではないという所にとても興味をひかれました。(私は「戦略シフト」でORを ANDにというキーワードを使っているのですが、その内容がもうひとつ具体的でないという問題点があるので、特にそう思うのでしょう)

私のITリテラシーが低いのでわからない所もありましたが、エンジニアとMBA、 アーティスト、サイエンティストという組み合わせの比較はとてもわかりやすく、ポイントをついているように思えました。グーグルが得意とする所、アップルが得意とする所、User Experienceという「おもてなし」の姿勢など、なるほどと思われました。単なるビジネスではない「高い志」、インターネットは本質的に良いものだ、だけど。。という点も何となく感じていたことが説明されていて、印象的でした。

最後に出てくるシリコンバレーは特異点であり、それを求める個人には門戸が開かれている、しかし日本は自分たちが強みを発揮できる所を探して、それで勝負するのが良いのではないか、というコメントはとても心に残りました。これが一体どういう形をとるのか、をもっと考えていきたいと思います。

後半にある梅田さんのウェブ立志篇のコラムは、オープン・エデュケーション、英語圏と日本語圏、をはじめとしてとても共感する所が多く、特にオバマ大統領が就任した当時のアメリカの姿勢は全くその通りだなあと思いました。同時に、最近米国ではこうした前向きな姿勢が少しずつですが失われているのではないか、という気もしました。

マクロはだめだがミクロが勝負という最後のコラムは、日本にとっても新しい方向を示しているように感じました。 私たちはあまりに、マクロ、政府などについてのみ議論しすぎではないか、もっと個人、個々の企業を原点にして良いのではないか、と感じました。個が力を最大限に発揮できる社会や環境をつくることは大事ですが、あくまで原点は個であり、その力だという点にとても感銘を受けました。とても示唆に富んだすばらしい本だと思います。

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