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 9月4日土曜日、二カ月ぶりにアカデミーヒルズでグローバル・アジェンダ・セミナーが開かれました。For English=> 1月から始めたこのセミナーも定例の第1土曜日のセッションは7回目になりました。2カ月ぶりだったし、9月の割には暑い日だったので、参加者は元気かな、と思って少し心配していました。ゲストはWorld Wide Fund for Nature Japan(以前はWorld Wildlife Fundという名称だったのですが、現在はこれが正式名称だそうです)の気候変動プログラム・リーダー、山岸尚之さんをお迎えしました。山岸さんとは、GASで知り合ったのですが、ICSのCompetitivenessのクラスにもお越しいただき、パネルをしていただいていたので、初めてではありませんでした。

 GASでは、その前のセッション(通常1カ月前)に、次のセッションのための資料や課題を出します。参加者には、資料を読み、個人で簡単な提案にまとめてもらうという宿題を出します。ただ読むだけでなく、必ず個人でレポートを出さなくてはならないので大変ですが、何らかのアウトプットがある方が良いという私の考えで、提案を出していただいています。 それをもとにグループで議論し、当日はゲストにもレポートにコメントしていただき、私もレポートを見て、コメントを毎週書いているニュースレターでする、という形式をとっています。 いろいろ試行錯誤をした後、前もってグループも決めてしまい、事前にグル―プで集まったり、メールをやりとりしたりもできるようになっています。これは、1年間活動を共にする人が50人近くいること、セッション当日は3時間と時間が限られているので、なるべくその場でしかできないことをしたい、という目的でしているものです。今回も、Climate Changeに関して、数々の資料を山岸さんに選んでいただき、2カ月前(今回は前の回が7月だったので)から資料へのリンクなどを紹介していました。

 今回は、まず私が簡単なセッションの紹介をして、山岸さんにバトンを渡し、山岸さんに30分位のプレゼンテーションをしていただきました。山岸さんのプレゼンテーションは、実際に気候変動のNGOで働いている経験からのフランクなお話で、わかりやすく、いろいろな事例を使ってされたので、とても印象深いものでした。その後、事前に知らせておいたグループに分かれて、参加者が議論し、その結果を全体にレポートしました。最初はグループ活動もなかなかチャレンジだったのですが、参加者も、限られた時間内でグループ・ディスカッションをするのに次第に慣れてきたようでした。5分と時間を限ったレポートは、参加者がそれぞれのグループを回るスタイルを今回少し試しました(皆が動く方が効率的ですし、国際会議などのブレーンストーミングは大体このスタイルだったので)。その後、かなり時間をとって、山岸さん(や少しですが私)のコメント、山岸さんへの質問があり、とても活発でした。(できるだけ英語でする、どうしてもできない所は日本語というルールです)

 気候変動は、私自身もいただいた資料を読み考えましたが、客観的事実についてもいろいろな人がいろいろなことをいっていますし、解決案となると、高度経済の国、開発途上国、その間に位置する国、またセクター間の意見の違いなどもあり、とても複雑です。そして山岸さんはその複雑さこそ、気候変動という課題の特色である、と話されました。どう気候変動という課題をとらえるか、についても、開発途上国から見ると経済開発という点でとても重要だ、などいろいろな見方があること、国際的な舞台で利害が対立するメンバーと交渉をしていくことのむずかしさなどについて、ご自分の経験や葛藤を話していただきました。これはその場でしか聞くことができない、まさに「リアルな場」の意義だと思います。(いただいた資料にはネットで見られるものが多く、バーチャルに膨大な情報を得ることもできます。) 参加者のアンケート結果をみると、満足度がとても高く、とくに山岸さんのお話が印象的だったことがわかりました。 

GASは、日本の若い世代にグローバルな場で活躍してほしい、世界の課題を考えて、何らか実行にうつしてほしい、そしてより良い世界をつくる一歩を進めたいという目的で始めたものです。そこで、知名度の高い「偉い」人ではなく、若い(30代位)人で世界の課題に関係する活動をしている方をゲストをお招きして、実際の活動や課題、悩みなどを話す場、年代も近い参加者とのインターアクションの場をつくりたいと考えて、企画したものです。山岸さんのセッションは、こうしたGASの目指す所を少しでも実現できたように感じて、私自身とてもうれしいものでした。また参加者が明らかに難しい課題にチャレンジして何とか考えようとしていること、グループ・ディスカッションもしだいにやり方のコツがわかってきていることを実感しました。私の役割は、こうした場をたくさんつくる、そしてこうした場の意義を多くの人に知ってもらって、多くの方々に場つくりをしていただくことだと思いました。 いろいろもめごとがあった一週間の最後の土曜日、暑くてまいったな!とも思いましたが、とても有意義、かつ楽しい時間でした。若い世代のエネルギーがあるからこそ、将来には大きな希望がある、と実感した一日でした。

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