昨日101日夕方、日本学術会議の第21期会員のレセプションが開かれました。私は3年任期の第20期の会員だったので、すでに任期は終っていたのですが、20期に1年だけ副会長をさせていただいたためか、お招きいただいていました。久しぶりにいろいろな方々にお目にかかることができて、とてもなつかしく思いました。その前にある企業で、女性プロフェッショナル向けのキャリア・セミナーをしていたので少し遅れていったのですが、この2つのイベントを通じて自分自身のキャリアや世界が広がっていくということについて考えさせられました。

キャリア・セミナーでは、自分のキャリアの展開を説明するのに、私は「私の世界はここ3年で一変した。」といいました。それは「新しい世界に出ていく時や新しい機会が目の前に現れた時に、「こわい」「ひるむ」「ためらう」という気持ちを持つのは当たり前、でもやってみると世界が開かれる」(「世界級キャリアのつくり方」でもこうした話が何度も出てきます)という話をしている時でした。

また、参加者から、「どうしたら怠け者にならないか、常に働き者でいられるか、新しいことをすぐやるか」という質問も出ました。(私はICTがこれだけ進歩する中、それからの機会を活用するためには、何しろ「働き者」が鍵、すぐ手をつける、やってみることを奨励しています。「働き者」というのは梅田望夫さんが使った言葉で私は常に心がけていることです。)

その場ではいろいろ説明したのですが、その後で学術会議のレセプションの場とその後で、いかに学術会議の会員、副会長をさせていただいたことが私にとって、新しい世界に触れる大きな機会だったかを実感したのです。たまたま20期の会員にしていただき、さらに会長の黒川清さんに副会長に指名していただいたこと、さらに浅島さん大垣さんという2人の副会長と4人で新しい学術会議のビジョンや戦略を考えたこと、Global Innovation Ecosystem Conferenceをはじめとする国際会議の組織委員会などをさせていただいたことなどから、いかに私の世界が広がったかを再認識したのです。

それまでは、学会、特に自然科学系の学者や学会について私はほとんど何も知らなかったのですが、残りの3人が皆自然科学系であったこと、いろいろな機会(毎週末のように、ビジョン・戦略のブレーンストーミングをしたり、実行計画を作ったりしました)に、3人から全く違う分野の話が聞けたこと、研究室に遊びに行って、若い大学院生などに研究の説明をしてもらったり、実験を見せていただいたことなどが、私にとっては新しい世界への一歩であり、またとてもExcitingだったことを思い出したのです。また、国際担当の副会長だったので、世界のAcademyなどとも接する機会が与えられたこと、日本の学術関連の組織についても少し知るようになったこと、それから、皇居や学士院での式典によんでいただいたことなど、この3年(なかでも最初の1年が鍵でした!)が、どれだけ私に新しいすばらしい機会を与えてくれたか、そして私の世界を広げてくれたか、を実感したのです。(もちろん、これで大丈夫かなあとか、どうなることか、と思ったことや、ためらう気持はありましたが、3人の方々、その他会員やスタッフに励まされて何とかやっていたという感じです)

副会長をしていた1年間は、とても忙しく(特に会議の多いことにはびっくりしましたが)、クレームのメールが沢山きて苦労したこともありましたが、世界やHorizonが広がったという意味では本当に幸運でしたし、すばらしい機会を与えていただいたといまさらながら痛感しました。

さらにすばらしいと思ったのは、特にご一緒した3人がものすごーく「働き者」で、「新しいことをどんどんやろう、どうやってやれば良いか?」という姿勢だったことです。すべてについて、「そんなことはできない、今までやったことがない、だから駄目」というコメントは、今思い返しても3人からは聞いたことはありません。常に前向き、新しいことに挑戦という姿勢でした。それにひきずられて、私も「あれもやろう、これもやろう!」ということができたのだと思います。

そういう意味では、セミナーで出た質問の「どうすれば怠け者にならないか」に対する答えのひとつは「働き者と一緒に活動すること」だと思います。私に新しい世界をひらいてくださっただけでなく、「働き者」というのはこういうものだというモデルを実際の活動で見せてくださったという意味でも、学術会議の最初の1年は得がたいものだったと思います。3人はもちろんですが、一緒に会議の事務局をしたスタッフの人たちとは、いまでも「同士」という強い感じを持っています。(そして折にふれて、いろいろ助けてもらっています) こうした経験ができたのは本当に幸運だったと思うとともに、こういう経験を若い人たちになるべく多くしてもらいたいと思います。