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p1000903.JPGp1000895.JPGp1000892.JPG World Knowledge Forum2日目1016日は、金融市場について、Wall Streetと衛星で結ぶセッションがあったため、全体の予定が繰り上がり、朝のパラレルセッションは打ち合わせが7時半、セッションが750分のスタートとなりました。

World Knowledge Forumでは、他の会議と同様、全体会議(Plenary Session)とともに、1時間強くらいのParallelセッションが多数平行して開かれます。(パラレルセッションの中には出たいものが多く、どれにするか、がかなりのチャレンジでもあります) 

  私は朝一番のDeveloping Global TalentというセッションではPanelist、午後からのRetirement Preparation: How Financial Institutions Can Help YouというセッションのModeratorをしました。

Global Talentのセッションは、Intel FoundationPresidentであるBrenda Musilli (彼女とはどこかで会ったとお互いに思ったのですが、どこだったかは不明のままでした)Peking 大学のC.S. Kiang教授(Kiang教授も何度も会議で遭遇していてお顔はとてもFamiliarでした)のスピーチがあり、その後、3人のパネリストがコメントをするという形式をとりました。(右の写真)

この種のセッションは、打ち合わせといってもごく簡単で、かなり自由に発言ができます。私は、自分の専門分野である事業戦略との関連からどんな人材が必要か、どうしたら開発できるかを企業と個人の立場からコメントしました。ちょうどタイミングがよかったので、「世界級キャリアのつくりかた」の韓国語版のマーケティングもしてしまいました!(どんな時でもマーケティングする!のが命なので)  セッションのあとで何人かの方から質問をされました。(次から次へと予定があるので、なかなかゆっくり話ができないのがこうした会議の課題ではありますが。。)

  その後、ウォールストリートと衛星で結んだ全体セッションがあり、「現在の世界の状況は全く予断を許さない」「金融システムが新しく確立されるまでには数年かかる」というようなコメントを興味深く聞きました。日本で聞いているのと、実際に真っ只中にいる人の口から聞くのとはだいぶ状況が違いますし、何しろ刻々と状況が変わるので、グローバリゼーション、技術の力を実感します。 

 金融システムの話が続いた後、M. Porter教授の「不確実性の中、戦略をどう考えるか」というセッションがありました。以前から聞いている話もありましたが、「刻々と状況が変わっている時期は企業にとって大きな機会になる」というコメントと「バリューチェーンを協働して設計する時代ではないか」という点をたずねた質問が印象的でした。  昨年のノーベル経済学賞のEric Maskin教授のMechanism Design Theoryもとても興味深いものでした。 

  午後からはもうひとつ私がModeratorをしたセッションがありました。Fidelty InvestmentDr.Van Harlow(米国)、Satoshi Nojiri さん(日本)、それにTong Yang SecuritiesDr. Jae Ryong Woo (韓国)がパネリストでした。(中央の写真) 世界が急速に高齢化する中で、いかにRetirement Planをするか、投資をどう考えるか、などという話だったので、金融が専門ではない私は懸念していたのですが、米国、日本、韓国の比較は、類似点・相違点がかなり明らかでなかなか興味深いものでした。かなり多くの参加者があったのですが、Retirement Planを考えたことがある人?と聞いたら、一人か2人だったのが、このテーマの状況をよく示していると思いました。また、今のようなFinancial Turmoilの時代にも何か意思決定をすべきなのか、という観点からも、少し議論がされました。

もうひとつ私にとってとても印象的だったのは、「グローバル化が進み、一方、金融市場の混乱も続く中、3カ国だけを見ても文化の違い、消費者行動の違いなどが明らかだが、どこかの国をモデルとできるのか」という私の質問に対する答えとして、チリの年金制度がひとつのモデルとして提示されたことです。私が一橋で教えているCompetitivenessのコースでは、チリの年金システムと企業のケースが出てくるのですが、(世界的に最も進んだ国として)、そのケースがいきいきしたものになって、こうした専門家のコメントとして出てきたのは、とても印象的でした。  

  その後、ICSの卒業生2人に会い、韓国の状況を聞き、ICSや私が書いている本の話をした後、夜のFarewell Dinnerがありました。こうした会議のDinnerLunchはいろいろ新しい人と親しく話ができるすばらしい機会です。1日目のDinnerでは、CSR関係の人が多いテーブルでしたが、2日目はWebがらみの人と一緒で、いずれも話がとても進み、楽しい時間でした。1日目には、Michelle KimのバイオリンとYuhki Kuramotoのピアノですばらしいコンサートでしたし、2日目はAndre Kimの華麗なファッションショー(左の写真)がありました。ホストのスピーチも簡単で、食事も楽しく、本当に有意義な時間をすごすことができました。こうした機会は行ってみてはじめてその意義がわかると思います。もっと多くの若い人にいってもらいたいと思います。

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  • コメント (2)

    • No.51(MBA ’84)
    • 2008年 10月 18日

    業務上、世界各国の年金制度と関わってきましたが、チリとは縁がありませんでした。人権弾圧の独裁者として知られるピノチェト将軍は、シカゴ大学出身の経済スタッフを側近において、見事なサプライサイド改革でチリ経済に模範的な発展をもたらしました。年金制度もこの一環として整備されました。メキシコなどもそうですが、1990年代に入って整備されたシステムは長期投資として理にかなったものが見受けられます。対照的に絶好調の時代に過大な約束をして後にそれに首を絞められるのがそれ以前のシステム。20世紀的というか、典型はGMと日本です。米企業では近年、大きな約束(defined benefit:確定給付)を反故にして、将来の受給者にリスクをとらせる(defined contribution:確定拠出)システムに移行しつつあります。日本企業もこの傾向にあります。国民ひとりひとりがリスク資産への投資を理解することが重要になってきています。その点では株式投資というと100万円を短期間で1億円にするように書き立てる日本のメディアがまず学習すべきでしょう。米国のような大きな経済では長期の株式市場のリターンは名目成長率+生産性向上分となり、これに市場参加者の期待値の変動が加わります。日本のように10年以上も全く成長しない経済(GDPの規模は1995年以来500兆円でストップしています)はともかく、ある程度成長する経済ならば、年率10%近いリターンは株式市場から得られることになります。そういった意味では今回のパニックは(経済失政が続かないという前提で)長期投資のまたとないチャンスともいえます。

    • yishikura
    • 2008年 10月 19日

    No.51さん、石倉です。コメントありがとうございます。

    チリの年金の話は、以前ケースを使った時に、チリが世界でも最も先端的な国のひとつと聞いて、とても意外というか新鮮に思われたので、今回、専門家の口からチリはひとつのモデルであると聞いて、納得しました。

    チリの場合、規制をはじめとして啓蒙活動などいろいろやっていたと思います。

    コメントをいただいたように、我々消費者ももっと良く知る必要があると思います。難しい言葉が多いからとか、わかりにくいからといってしり込みせずに、自分で納得いくまで質問することが大事だと思います。

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