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p1000127.JPGニューヨークでは、Carnegie Hall, Lincoln Centerなどのシリーズは9月下旬から始まるので、少しタイミングがはやかったのですが、それでも週末に2つのイベントに行きました。ひとつは、Lincoln CenterAvery Fisher Hallで開かれた、John WilliamsNew York Philharmonicを指揮するコンサートです。http://nyphil.org/meet/archive/index.cfm?page=eventDetail&eventNum=1361&seasonNum=7

John Williams は映画音楽でよく知られていますが、Jane EyreからHarry Potter, 最後はSteven Spielbergのシリーズ:Jaws, Star Wars, Raiders of the Lost Arkなどが次から次にスクリーンの映像とともに演奏され、非常に長い期間にわたるJohn Williamsの活動、その幅の広さにいまさらながら感心しました。 

私は1980年代前半ボストンにいた頃、Boston Symphonyのシーズン・チケットを数年間持っていたのですが、当時John WilliamsBoston Popsの指揮者(Conductor)をしていました。リハーサルを見に行ったり、コンサートにいったりしたので、とてもなつかしい思いがしました。また、ずっと昔は、LA PhilAlternate Pianistをしていたという話を聞き、すばらしい音楽を次から次へつくる背景には、基礎訓練と長い間の下積み・経験があると痛感しました。 このコンサートでは、ダンサー・振付家から映画のディレクターになったStanley DonenへのTributeがあり、John Williams より年齢が少し上のDonenが登場して、Fred Astaire, Gene Kelleyなどの映画のダンス場面をJohn Williamsの指揮で再現し、当時の思い出を語るパートがありました。Fred AstaireGene Kellyの有名なダンスの場面は、伝えたい「アイディア」から始まり、それをダンスや場面で表現する、そのために気が遠くなるほどのリハーサルをするという話は、プロフェッショナルの真髄を聞くようで、感激しました。 

翌日は同じくLincoln CenterMetropolitan Opera Houseで、今年7月に亡くなったソプラノ、Beverly SillsTributeがありました。Beverly Sillsに関するウェブサイトはhttp://www.beverlysillsonline.com/index.htm。こちらはPlacid Domingoと若手の3人の歌のほかに、New York市長のMichael Bloomberg、テレビ・キャスターのBarbara WaltersEntertainerCarol BurnettLincoln CenterMetropolitan OperaCity Operaなどの幹部が次々登場し、Beverly Sillsがどんなにすごい人だったかを、それぞれの身近なエピソードから語りました。 私はBeverly Sillsはテレビで見たくらいであまり知りませんでしたが、こうした話を聞いているだけで、どんなに暖かい心の人だったか、逆境(子供が難病)にも負けずいつもCheerfulだったか、あきらめないAmbitionが伝わってきました。オペラの実力はもちろんですが、51歳のピークで歌うのはやめ、Lincoln Centerの各種の芸術団体、難病のための団体の活動をする中、資金集めや人を説得し、活動に巻き込むのが極めて上手だったという話を聞いて、常に前向き、明るい人となりを感じ、聞いているだけでやる気が出てきました。最後は、非常に親しかったHenry Kissingerが登場し、ユーモアと限りない愛情、Beverlyの音楽と組織的活動の才能へ深い尊敬をこめた話をしたのも印象的でした。 

このように偉大な人の活動や生涯をたたえ、ユーモアを交えながら、等身大でその偉大さを一般に伝え、次の世代に続けていくというやり方は、本当にすばらしいと思います。年齢が高いから、昔は優れた仕事をしたからといって、むやみに奉ったり、大げさにするのでなく、そこから学び、次の世代にそうした活動を託すというのは、過去のよさをたたえ、それを一区切りとして、そこから全く新しいメンバーで始めるという意味で、メリハリが利いていると思います。  John WilliamsBeverly SillsNew York出身であることも、これだけNew Yorkerの人気を得るひとつの理由かもしれません。 プロフェッショナルはどんな分野でもInspiringであり、同時に、誰に対しても、自然体で親切、しかしそのすばらしい活動の背景にはDisciplineや絶えざる訓練があることを痛感します。

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