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  最近、「雇用」という文字を新聞やニュース、ネットで見ない日はありません。非正規社員が仕事を失っており、明日からの宿泊をどうするか、正社員にも世界不況の影響が明らかになり、ワークシェアリングや、給与の5%カットなどの必要があるなどが日々報道されています。

新聞を見ると、企業の業績はほとんどが下方修正、株価も下降の一途という不安を増すような報道が多く、今は仕事がある人でも、2009年さらに世界の景気が悪くなると思われる中、いつまで職があるか、について、不安や懸念を持たざるを得ません。特に最近の状況は、日本経済が世界の金融危機とは一線を画している、日本は製造業が強いから大丈夫、そうでなくても影響が来るのはまだ先という予想に反した進展であることが、不安を増すひとつの大きな理由になっていると思います。

  こうした不安は当たり前ですし、仕事を失って、衣食住に困るという課題は緊急度が高いです。しかし、だからといって、個人にとって、1)「何とか日本で新しい仕事を探す」2)「日本以外の場を探す」3)「今の仕事を死守する」というオプションだけが解決案なのでしょうか。

 1)はなかなか難しそうですし、2)は世界も状況が悪いのであまり可能性はなさそうとなると、ともすれば3)に傾いてしまうかもしれません。

 しかし、発想を変えて、少し長期的に眺めてみるというやり方を試してみることもできます。(もちろんこれには自分の収入に依存する家族がたくさんいるなどの場合は難しいのですが) それは、今までにないスピードで世界が統合化され、影響が短期間に世界に波及するという今起こっている状況が一時的ではなく、今後さらに進むと仮定して、(私は、こうした傾向は一時的なことではないと考えています)、そうした状況に備えたアクションをとってみることです。

 これだけ状況が悪いのだから、今までなかなかできなかった抜本的な改革をする良い機会であるととらえて、「世界で通用する」「組織に依存する度合いが少ない」仕事を目指してみるのです。どんな仕事、あるいはどんな能力を持っていれば、新しい時代に生き残れるか、やりがいのある仕事ができるか、を考える機会とするわけです。 

  そう考えると、世界、市場価値のつく何らかのユニークさや「売り」、プロジェクト体制で働くことができる仕事など要件がいくつか明らかになります。ここまで世界が統合化され、スピードがはやくなる、したがって状況が悪くなるとあっという間、という今の状況までは、正直な所、考えていなかったのですが、2年半前に書いた「世界級キャリアのつくり方」は、こうした方向を目指すことをすすめています。(実際はプロフェッショナルの要件がだいぶ変わってきて、圧倒的な知識だけではなく、俯瞰的な考え方、判断力などが不可欠になっています)。 

  また最近いただいた本で(自分の本で四苦八苦しているため、それに関連した本ばかりを読み、積んであったのですが)、岡島悦子さんの「人脈力」などにも、こうした働き方、そのために必要な活動―特に、自分にタグをつける、コンテンツを作る、人脈レイヤーをあげるが興味深いと思いましたーが詳しく書いてあり、やっぱりそうか、と思ったのです。(岡島さんの本には、私のことも書いていただいていますが、ここに書かれているのと、ここ数ヶ月の私の状況は幾分ギャップがあるので、冷や汗ものです!この本に書かれている上昇気流に乗るというのはとてもポイントをついていると思いますが、自分の経験から、上昇気流に乗ったはいいが、途中できりもみ状況になりそう!ということもあると感じています!(このあたりはまた次の機会に) 

 ちょっと自分の本の宣伝っぽくなってしまいましたが、今のように、ただでさえ外は寒く、心も縮みがちな時に、目先のことだけでなく、目線を上げる、広く見る、時間軸を広げるのもひとつのアイディアではないでしょうか。 

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コメント

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  • コメント (10)

    • Bennie
    • 2009年 1月 13日

    確かにこんなに急速に経済・雇用不安が広がるとさすがに気が滅入ります
    私は3)だったのですが、正直に言うと
    いつ解雇になるかばかりを恐れていました

    でも、誰かに雇ってもらえることがあてにならない状況に至って
    私にはmusicがまだある!と気を取り直しました
    実は音大で挫折した苦い経験からmusicに自信がなくなっていたし、
    昨年も、どのオーディションにも受からず、やはりだめだと思いました
    しかし、インターナショナルスクールですべて英語で音楽の授業を
    したときの生徒たちの笑顔を思い出すと
    もう1度チャレンジしてみよう!と意欲がわいてきました

    即戦力として現金化できる仕事を探すこと以上に
    これを機に持続的に自分らしく働ける道を見つけることは
    自分の生き方を見つけることでもあり
    そういった意味では今が絶好のチャンスだと思えます

    • 長谷川
    • 2009年 1月 14日

    石倉さん、はじめまして。
    「世界級のキャリアの作り方」を読んで、このブログに行き着き、ことあるごとに拝見させていただいています。「世界〜」でもそうですが、石倉さんのブログからいつも元気をもらっています。ありがとうございます。
    そのため、お礼もかねて投稿させていただきました。

    私は今25歳ですが、悪性腫瘍の闘病生活をしています。
    今年入社したので、希望にあふれる新入社員から、一気に奈落の底へ落とされたような期間を過ごしました。
    しかし、そんな時に「世界〜」を読み、石倉さんのポジティブシンキングに触発されて、もう少しプラスに考えていこうと思うようになれました。
    今でも少しでも自分の精神的な血肉となるよう、繰り返し読まさせていただいています。

    雇用の問題が叫ばれる中、私も深刻な環境下で、病気になったものだなと思います。しかし、こんな時だからこそ、自分のしたいこと、成し遂げたいこと、がハッキリと見えてきたように思います。それに自分の大切にしたい人、大切にしてくれる人が、しっかりと認識できるのだと感じています。

    私の夢は、ベンチャービジネスを立ち上げたい、それでもっと世の中を活性化させたい、と思ってきました。一時の間、その夢が崩れてしまうかもしれないと思いましたが、もう一度少ない時間でなんとかできないかと自問している最中です。そう思えるのも、「世界〜」を読んだことが起因しています。

    石倉さんの記述ではないのですが、黒川さんのモットーの

    Carpe diem「今日を生きる」

    という言葉が頭に焼き付いています。
    毎日をしっかりと生きる、ことが大切だと実感することができます。

    これからも、更新されるブログや新しい書籍の発行を楽しみにしています。

    • yishikura
    • 2009年 1月 14日

    Bennieさん、石倉です。コメントありがとうございます。そうですね、これだけ暗いニュースが多いと、すべてがうまくいかないような気がして、くじけそうになることもありますが、元気を出して、またやってみましょう。

    • Ben
    • 2009年 1月 14日

    Benです。石倉さんの場を借りて、コメントで見かけた長谷川さんの投稿についてのフィードバックです。

    私は以前ベンチャーを興して経営をしていました。困難な状況でベンチャーにチャレンジされるということは、素晴らしい目標だと思います。

    その過程で、おそらく、社員や投資家の方々から、長谷川さんの事業に対するコミットメントを求められると思います。人並みはずれた集中力や熱意をアピールできる反面、社員として貴重な時間を使って参画する方や、やはり貴重なキャッシュを投資する方の立場に立つと、社長が闘病で休憩を余儀なくされた場合などのバックアッププランを持っておいたほうが「ベンチャーを設立する」という目標の成功率が上がると思います。

    つまり、右腕となる人物の存在が、一般のケースよりも重要になると思います。逆に言うと、そうした方が見つかれば、ベンチャーを立ち上げることはきっと可能だと思うのです。

    事業を立ち上げることは、困難のほうが多く、悩みも深く、決して「面白おかしい」ものでは全くありませんが、それでも一人の人間の経験としては最も充実した味わい深い経験のひとつとなると思います。

    応援しています。

    • yishikura
    • 2009年 1月 15日

    長谷川さん、石倉です。コメントありがとうございます。こうしたコメントをいただいて、心からうれしく思いました。

    長谷川さんの状況を考えると、気休めなどはとてもいえませんが、少しでも力になれればとてもうれしいです。「世界級」にもちょっと書いてありますが、私は、夫の闘病をずっと一緒にした(一緒に戦った気持ち)つもりだったのですが、病気の本人の気持ちは全然わかっていなかったのではないかなあと最近思うことがあります。でも時間がどんなに大切なものなのか、は深く感じています。

    私のほうが長谷川さんのコメントを読んでいて、勇気づけられました。
    「今」を大事にして、いろいろな可能性を考えましょう。(私もそうします!)

    長谷川さんを応援している人が少なくとも一人はいつもいると思っていてください。

  1. 私も長谷川さんのコメントに感銘を受けました

    今までの私は病気であることはネガティブだから、と思い
    それについて隠してきてばかりいました
    もちろん、隠し通すことなど無理で、ふだん我慢している分
    家族には時たま辛く当ってしまうこともあります

    だけど、長谷川さんはお若いのに辛い闘病生活の中で
    ご自分のしたいこと、大切なものを見出され
    毎日をしっかり生きるということをちゃんと意識されている点が
    素晴らしいと思いました

    長谷川さんを私も応援します
    私も病苦に負けないように一刻一刻、できることをして
    日々を積み重ねていきます
    長谷川さんにこのブログを通してメッセージが送れるのは
    石倉洋子先生のおかげでもあります
    お二人に感謝します!

    • yishikura
    • 2009年 1月 17日

    Ben、石倉です。長谷川さんへのコメントありがとうございます。実際にやった経験からの貴重なアドバイス、ありがとうございます。

    長谷川さん、バックアップ・プランなど考えればできないことはないと思います。

    • yishikura
    • 2009年 1月 17日

    Bennieさん、石倉です。長谷川さんへのコメントありがとうございます。

    いろいろな境遇にあっても、前向きに考えられることはすばらしいと思います。

    • ゆっち
    • 2009年 2月 15日

    石倉さま

    久しぶりにコメントさせていただきます。
    お体はもう大丈夫でいらっしゃいますか。

    私は半年前に入社した会社のコンプライアンスがなっていないこと、上司のパワハラ・セクハラが醜くて1月末にすぱっと辞め、最近すんなり新しい職場が決まったばかりです。

    まわりからはこのご時勢に転職なんて・・、とかもう少しガマンしなさいとかいっぱい言われましたが、自分の人生のエネルギーとか時間が本当にもったいないと思ったので、なにも不安はありませんでした。

    日本人は自分の頭で考えられないというか、ほんとうに組織に依存した人がいっぱいいるんだなあ、というのが今回の経験からの実感です。

    そもそもニュースもあおりすぎだし、不安にさせてもお金がわいてくるわけでないし、いい加減にしてほしいものだと個人的には思います。

    これからの将来に向け独立系の仕事を検討中なのですが、耳が少し悪いので医療系は進みたくても進めなくて悔しいです。FPでもやろうかと思ってます。

    • yishikura
    • 2009年 2月 17日

    ゆっちさん、石倉です。コメントありがとうございました。新しいお仕事、楽しみですね。それに自分で独立しようという気概がとても大事だと思います。 

    最近特に感じますが、これだけ経済構造が変わるべき時なのですから、雇用形態や採用なども抜本的に変わる(たとえば新卒の一斉採用など)最高のチャンスだと思います。

    周囲が何をいおうと、自分の信念で自信をもって取り組めば、少なくとも(たとえそれが期待した結果にならなくても)、後悔の念は残らないと思います。常にアクション、前向きが良いですね。

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