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 先週日曜日に私の恩師であるニッセル神父様が亡くなりました。ニッセル神父様は私が上智大学から交換留学生として奨学金をいただいた時の選考委員でした。先生はESSのディベートの担当だった(クラスでは教えていただいたことはありません)ので、私は一言いうと10位反論されそうで怖かったのですが、何とかその面接にパスすることができました。(実は学内紛争の真最中だったので、留学制度や試験のことを知る人がとても少なかったからなのですが)

 こうして神父様に新しい世界への扉を拓いていただいたのですが、留学中もよく上智での出来事を知らせる手紙をいただきました。これはちょっとしたことでホームシックになりがちな私たち留学生にとってはとても貴重なものでした。

 その後、私が米国の大学院に行っていて、何年も先生とは連絡がとだえていましたが、10年ほど前、毎年12月に開かれるフォーブス会(何年も前に亡くなったフォーブス神父様を追悼するミサと卒業生の同窓会ディナーからなる催し)に行き始めた時にまたコンタクトが始まりました。

  ニッセル神父様はある年、わたくしがミサに出席した後ディナーに参加せず帰った後で、メールをくださいました。それは私の夫が重病だからはやく帰ったことを卒業生から聞いたからでした。

 そのあと数年して私の夫は亡くなってしまったのですが、亡くなる3週間前くらいにカトリックであった夫のために、病者の秘蹟をお願しました。(以前は最後の秘蹟とよばれていたので、私自身どうこの話を切り出したらよいか葛藤があったのですが)ニッセル神父様は、病院に登場して、夫と話していましたが、「私のこの秘蹟は数日しかもたないから、また来るね」といっておられました。こうした時でもユーモアのセンスがある神父様にびっくりしたと同時に、命が限られていることを知っている私の夫もユーモアのセンスでは負けないので、二人で笑っていたのが印象的でした。

 その後、夫が亡くなった後、たまたまニッセル神父様は神戸の六甲教会にいらしたので、神戸のお墓に埋葬した時のミサをお願いしました。気落ちしている私も、学生時代の恩師にミサをしていただき、心がなぐさめられたことを覚えています。

  その後、夫を亡くしていろいろなことがあった時にいつも相談にのってくださったのが先生でした。「あまりがんばりすぎないように。リラックス! 外国に避難しなさい」など(50年以上日本にいらしたのに、なぜか日本語がたどたどしいので、いつも話は英語でしたが。。)とても心にしみるアドバイスをしていただき、何とかこの数年を過ごしてきました。

  初めて外国留学という新しい世界をひらいてくださり、大変な時に常に励まして(それも必ずユーモアのセンスをもって)くださった、私にとってはかけがえのない恩師を失ってしまいました。ニッセル神父様に会わなければ、私の一生はずっと違ったものになっていたと思います。恩師であり、よき友人、それにユーモアのセンスが、私の永遠のモデルです。

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