15日朝、成田に帰ってきました。3日間のスイス出張でしたが、いろいろ考えさせられることの多いシンポジウムでした。For English=>  特に印象にのこったのは、1)情報の重要性と情報への感度 2)若い世代(20代)の積極的なチャレンジとエネルギー 3)それを正面から受けようとする大人が少なくともかなりいること 4)プロフェッショナルのレベルの高さです。

 情報(特に発信)の重要性は強調してもしすぎることがないのですが、今いろいろな分野で起こっているPower Shiftの背後に情報通信技術があること、政治、経済、外交などに情報通信技術の進行が及ぼしている影響の計り知れないほどの大きさ、グローバル企業の責任、リーダーの要件など、「情報」を軸にした大きな変化が世界で刻々と起こっており、それに皆が様々な形で対応しようとしていることをまた強く感じました。アフリカ、中東のGeopolitical IssuesやWikileaks、ブランドの力の変化などを考えると、いかに世界が情報によって変わりつつあるか、驚くばかりです。

 実際、2日目にハンブルグのジャーナリストにインタビューされた時も話題は情報の話がほとんどでした。一方、こうした世界で起こっている「先が必ずしも見えない」変化、桁違いのスピードなどの感覚や情報への感度は、日本で日本語の世界だけにとどまっていたのでは「実感」として得られないのではないか、と大きな懸念にもなりました。

 また、若い世代(Leaders of Tomorrow-200名が招待されています)は、情報発信の重要性を理解しており、情報技術によって力のシフトが起こることを認識している、つまりこうした情報への感度があるからこそ、どんどん意見をいい、チャレンジしてくるのだと思いました。(最初のセッションは、それほど質問が出ませんでしたー私もちょっとぼーっとしていて、チャンスを逃してしまい、後は手をあげても人数が多くて時間切れになってしまいましたーが、その後は若い世代からのコメントや質問は大変活発でした)。

 また世代間の対立から始まったこのシンポジウムの精神にのっとって(40年も続いていることはすばらしいと思います)、こうした若い世代からのチャレンジをまじめに聞き、それに対して反論もし、一方ではそうしたチャレンジを奨励しようする大人?の姿勢もとてもすばらしいと思いました。

 シンポジウムに出席している600人位のLeaders of Todayに対して、「パネルを聞いていても、今の状況への責任の念が見られない」というコメントや「自分は責任感を持つリーダーになる」というleaders of tomorrowからのコメントに対して、「近頃の若いものは。。。」というのでもなく、何でも若いだけで受け入れるのでもなく、反論し、まじめに議論している大人(Leaders of today)の姿勢は、特に日本ではあまり見られないように思われました。これは、年齢や性別、国籍、経歴に関係なく、誰もが一人前の大人としてふるまっており、お互いをそうみているからではないか、と感じました。

 またいつもこうした会議に出ると感じますが、プロフェッショナルのレベルの高さには感心します。ジャーナリストがする1対1のインタビュー、パネルの進め方、専門分野の深さが明らかに感じられる政治家の対話や幾分皮肉やドライユーモアの形を借りた明快な見解など、「さすが!」と思うことが多い3日間でした。

 昨年も感じましたが、アジアへの関心が高まるにつれて、中国、インドだけでなく、シンガポール、インドネシアなどの国のスピーカーが登場し、すばらしい話をするのもとても参考になります。このシンポジウムはヨーロッパ中心なので、アフリカや中東、ここ数年は中国、インドへの関心がそもそも高いのですが、アジアのリーダーにも機会があり、若いアジアのリーダーがその機会を最大限に活用している所は、私たちも見習うべきだと思います。

 KMDでの仕事が始まったばかりでかなり無理な日程でいったため、KMDの学生チームへのフィードバックを考えながら、会議を聞くという厳しい日程でしたが、こうした「世界の議論の場」に参加することには大きな意義があること、そして多くの若い世代にその実感をなるべくはやく持ってもらいたいと感じた3日間でした。

 このシンポジウムは、大学院生誰にでも門戸が開かれているエッセイコンテストがあり、極めてオープンな場なので、来年のエッセイ・コンテストのPRは早くからやってなるべく多くの人に応募してもらおうと思います。