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 先週ある企業で、これからの時代に企業を率いる「戦略リーダーの強化」をテーマとする会合に参加しました。最近は今までとは違った変化の時代になっていると思いますが、そうした中で、チームはもちろん、組織や国、地域を率いるリーダーにはどんな要件があるか、そしてリーダーを見つけ、開発するにはどうしたらよいかは、企業にとっても大きな課題です。

 今回の会議で、私以外の出席者は、皆企業のトップでしたが、印象に残ったコメントが多数ありました。今日はそのうち2つをご紹介します。

―リーダーは、何としても競争に勝とうという強い意志がなければならない

―リーダーに必要なのは、顧客の視点。自分が外国で顧客と直接接する仕事をやらされた時に、「顧客指向」の重要性を体感した。顧客でない人がなぜそうなのかを知ろうとしなくてはならない。

 1のコメントは、世界で戦うビジネスの現場の厳しさを示している点で、とても印象深いものでした。情報通信技術(ICT)が進み、世界は24時間週7日体制、共通ルールになってきています。そうした中で戦い、生き残ってきた世界の企業と対抗していくためには、何としても勝負に勝つという強い心が必要だと思います。これは実際に、グローバル競争を戦ってきた企業のトップの言葉であったので、とても説得力があり、納得するものでした。

 海外にいくと、世界第2位の経済大国ではあるかもしれないが、いろいろな意味で「せまく、一部が閉ざされた」日本にいるだけでは、こうした動きから全く隔離されてしまうのではないか、こうした厳しい競争や勝負の実感を持たない人が多いのではないかと思うことがあります。

 外国に行くという経験は、こうした世界の動きを体感する上でも意味があると思います。また外国に行かなくても、ICTが進む中、世界のいろいろな状況を知ることは以前よりずっと簡単になっています。世界への発信、世界との協働や競争は意外に簡単にできるようになっています。 

 第2のコメントは、当たり前と思われている顧客指向を本当に実践すること、自分の体験という点で、印象深いものでした。なかなか直接接する機会のないお客様と直接接触する、それも言葉がよくわからない外国でお客様のクレームを聞いたり、問題を解決しなくてはならない、本当に必要なのは、離れていったお客様がどうしてそうなったのかを聞く、調べるというコメントでした。

 これは当たり前といわれるかもしれませんが、実践するのはなかなか難しいです。特に、ただ謝る、低姿勢でお詫びをするということでなく、それから、問題の原因を見つけ、それを解決するという実行まですることがとても重要で、またチャレンジだと思います。 

  自らの「体験」という点も、私が最近特に感じていることなので、印象に残りました。6月に開かれたGIES2007のパネルhttp://www.gies2007.com でも、次世代の教育や開発のために、知識だけでなく、実際に体験してみることの重要性が指摘されたことと共通しています。 

 私にもそうした経験が多数ありますが、実際自分でやってみると、予想していたのと違うことはよくあります。人がやっているのをそばで見ていたときは簡単そうに見えたがいざ自分でやってみるとそのようにいかない。実際にやってみたら、自分で予想していた時間の5倍もかかった、などはよくあります。 

 たとえば、事業戦略をたて、実行するためのテキストなどはたくさんあり、それを使って「学ぶ」ことはできますが、「わかった」だけではほとんど実際には使いものになりません。実際、自分でやってみて、本に書いてあるようにはいかないことを体験し、いろいろ工夫し、苦労して何とかやりとげないと、なかなか身にはつきません。それも一度ではなく、いろいろな状況のもとで、何度も使ってみるうちに、「こういう状況の時はこの手法、やり方、こういう人にこういう質問の仕方が良い」などの勘所がだんだんわかってきます。

 最近私にも経験がありますが、ある程度回数を重ね、「できる」気になっていても、状況が変わると、うまくいかず、自分の能力や知識に自信を失いそうになることもあります。

 何もやらなければ、失敗はしませんが、本当には体得できない、次のステップにいけないということです。何しろ試してみる、成功からも失敗からも学び、次にいかすことが大事だと思います。 

 そういう意味で、私は「実践」している人を限りなく尊敬します。企業のトップでも芸術家でもスポーツ選手でも学者でも「実行」し、「成果」をあげている人からは学ぶ点が沢山あります。 

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