記事の詳細

昨年春、ICSのナレッジフォーラムにお越しいただいた熊倉千之先生から、新しいご本を送っていただきました。「日本語の深層」というタイトルで、日本語が話し手の「イマ・ココ」を生きる言葉であることを説明しています。

昨年お目にかかった時に構造的に日本文学をとらえるという視点がとても新鮮で(私はどちらかというストラクチャー・構造的に考えるのが好きなので)、興味を持っていました。最近、私のブログをたまたま見つけてくださって、そこからまたコンタクトが始まり、7月にウィスラーに来ていた時に電話で1時間位お話をしてしまいました。

日本に帰った時に新しいご本を送っていただいていたので、さっそくウィスラーに持ってきたのですが、余裕がなく、やっと今になって読みました。細かい所は私の理解を超える所が多々あるのですが、日本語が話し手の主観を基本としている(その点で英語や中国語と違う)こと、形容詞の意味が違うことなどは、とても興味深く、何となく今まで感じていたことの背景が少しわかったような気がしています。

新しいご本は、さらにそれを進めて議論しており、音声と意味の関係や、芸術作品の形式と内容の関係などに言及されています。万葉集や能楽や浄瑠璃などの舞台芸術などいろいろな事例についての話もとても興味深いものです。

一番印象に残ったのは、日本語では論理性が十分あらわせないという点と、日本語が得意とする「イマ・ココ」の事態把握とその対応力と西欧語が有効な客観的統括能力を「組み合わせる」というアイディアです。 これは「現場が力を持つ」日本、一方、構想力が不十分といわれる日本の課題などをとても良く説明してあると思いました。 私の知識が全く不足しているために、細かいことではわからないこと、知らないことが多かったのですが、何となく新しい世界に足を踏み入れたという感じがしています。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

ページ上部へ戻る