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今朝メールでロンドン・ビジネス・スクールの名誉教授であったジョン・ストップフォード教授が先週末、ロンドンのご自宅で亡くなったことを知りました。For English=> ここ数年ガンと闘病中だったことは知っていたのですが、ニュースを聞くと残念でなりません。

ストップフォード教授は私が最も尊敬する恩師でもあり、偉大な友人でもあります。 私が、ハーバード・ビジネス・スクールの博士課程にいた頃から、国際ビジネスの分野では有名だった「多国籍企業の戦略」の論文の共著者として、お名前は良く知っていました。私が青山学院大学で教えるようになったその年(だったと思います)、寄付講座の講師でストップフォード氏がいらっしゃることを聞いて、すぐランチを一緒にしませんか、とお誘いしました。あの有名なストップフォード教授に会えると思うと、私はとても興奮して、ランチの場所にいったことを昨日のように覚えています。それがとてもすばらしい、そして長年にわたるストップフォード教授(というより、ジョンといった方があっていますが)との友情?(というには恐れ多いような気もしますが)の始まりでした。

日本企業のトップへのインタビューや、ストックホルムでの会合、合併した製薬企業の幹部教育など、一緒にいろいろな活動をすることになる中、ストップフォード教授から学んだことは多々あります。インタビューを一緒にした後、どのようにまとめるのか、コンセプトや事例に対するヨーロッパと日本のトップの反応の違いなど、、私の細かい具体的な質問に答えていただいたことが、その後の私の考え方や活動を形作っています。ストップフォード教授とチャールス・ベイドン・フラー教授の共著「Rejuvenating Mature Business」を「 成熟企業の復活」として翻訳したのも、よく知られている企業ではないにしろ本書にあげられている事例が参考になると思ったからです。

サリー夫人と何度も日本に来られたので、そのたびごとに会いましたし(一緒にお好み焼きを食べたこともありました!)、私たちの自宅にもお招きしたり、私たちがロンドンに立ち寄った時にお宅をおたずねしたことも懐かしい思い出です。数年前に東京にいらした時に一橋ICSのオフィスで会ったのが直接顔を合わせるのは、最後だったように記憶していますが、かなり頻繁にメールのやりとりをしていたので、お互いに何をしているか、は大体フォローしていました。(特に夏はアメリカ東海岸に来られることが多かったので、どこかで会おうと計画したこともあります)

2000年に初めて私がダボス会議にいった時にも、ダボス会議の常連であった教授からいろいろなことを教えていただきました。パネルではどんなことに気をつけたら良いか、など、初めてこうした会議に出席するので緊張していた私の疑問や懸念にも丁寧に答えていただき、迷子になりそうなフォーラムの会場でジョンの姿を見つけると、何となく安心したことを覚えています。

ストップフォード教授は、経済学と経営学をつなぎ、国際ビジネスの分野を確立された学者であると同時に、企業の幹部教育やMBAプログラムにおいてはすばらしい教師であり、世界各地のビジネス界のトップとの付き合いも広く、大きな貢献をされた方です。その業績や誰に対しても親切なパーソナリティについては、誰もが良く知っていることだと思いますが、私にとって一番印象深いのは、長年の闘病(ガンで10年位闘病していました)の末、私が夫を亡くし、埋葬をする時に教授が送ってくださったメールです。覚悟していたとはいえ衝撃的なことで心が沈んでいた私の心に深く触れるもので、私は一生忘れない言葉でした。

最近またメールをやりとりしているうちに、ストップフォード教授がガンで闘病中であること、一時回復したと思ったのにまた再発したらしいということなどを知っていたので、心配していた所、ニュースを聞いたのです。寂しい気持ちももちろんありますが、これで闘いが終わったのだと思うと、ほっとした気持ちにもなります。 またこうしたすばらしい方と知り合い、一緒に様々な活動をする機会を与えられた私の幸運を感じます。

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