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セミナーなどで、21世紀の世界で活躍するためには、自分の意見を持ち、それを表現し、より良い解決案をつくる力が必要だという話をするとよく出てくる質問があります。それは、自分の周囲ではそういうことをすると「空気が読めない」といわれるとか、日本では「空気を読む」ことが必要だけど、どうしたら良いか、というものです。先日もセミナーで質問が出た時、とっさに私は、「日本のリーダーの多くは、世界の空気が読めていないのではないか」と答えました。「空気を読む」とよくいうので、それが気になっていたのですが、そこから「どの範囲の」空気を読むか(ちょっと変な表現ですが)、が鍵となるのではないか、と考え始めました。そして、今までは日本と世界の比較で考えたことはなかったのですが、これは世界の潮流を理解し、その中での日本の位置や活動を考えられるか、ということにも通じるのではないか、と思いました。

そう思っていた所、先日、Meet the PressというNBCのpodcastを聞いていたら、Tom Brakow, Tom Friedmanなどが、米国大統領選の話をしていました。そこでなるほどと思ったことがあります。

この番組では、オバマ大統領のこれまでの実績について、内政では共和党との軋轢が深く、あまり実績がないが、外交ではかなり実績があったのではないか、という話になりました。そこでなるほど思ったことが2点あります。ひとつは、外交政策と内政との強い関連性、もうひとつは自国の地位や力の客観的な把握です。

前者については、確かTom Friedmanのコメントだったと思いますが、これからの外交政策を考える場合、中東、アジア、アフリカ、EUなど米国が世界で直面している課題はいずれも国内経済や政治、そして米国民の生活の大幅な変革がなければ解決が難しいというものです。たとえば中東の石油については、米国のこれまでの石油消費パターンを、そしてアジアについても、米国の消費パターンを大変革しなければ、米国の外交政策は立案実施するのが難しいというものです。つまり世界の「空気を読む」ことが必要だということとも考えられるのです。

また自国の客観的地位の把握という点では、今の世界の状況が昔の状況に似ている(いつだったか忘れてしまったのですが)という話になった時の米国の地位に関する違いです。指摘されたのは、米国は当時経済的にも軍事でも、圧倒的な世界のリーダーであったが、今はその地位はない、そしてその点への理解が国内では不足しているというものでした。

この2つの点は深く関係しています。それは、自国の力が下がっていることを知らない一般の人の生活の変革がなければ、世界の課題に立ち向かう「武器」がないということになるからです。

この話を聞いた時に、日本の状況と似ているのではないか、と感じました。メディアなどで報道はされていますが、今の世界での日本の力や地位を実感として理解している人は一般には少ないと思います。また日本のリーダー(特に政治)の中には、世界の空気を読めずに、政策の議論がなされているように感じたからです。

「空気を読む」という話からかなり広がってしまいましたが、必ずしも「近くの」空気だけででなく、「どの範囲の」空気を読むのか、も大切なのではないか、と思います。

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