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米国では、今卒業式のシーズンなので、ニュースのpodcastを聞いていると、卒業式のスピーチの話題が良くでてきます。同時に、教育、特に大学教育や学位は本当に価値があるのか、という原点の戻ったコメントを良く聞きます。

その背景には、人材の重要性、その基礎となる教育が国にとってどれほど重要かという認識があるとともに、21世紀に必要な知識や力を大学を初めとする既存の教育機関が提供しているのか、という課題があるからです。また経済成長には人材が基盤となるが、これだけ景気が悪い中、多額のローンを抱えて学位をとっても仕事につけない人が多いこと、そして教育費を出すことができないため、大学をあきらめなくてはならない人がいることなど、いろいろな要素があります。

同時に、ICTを用いたMITxやスタンフォードなどの試み、もっと初等教育からカバーしているKhan Academyなど世界のより多くの人に教育の機会を提供しようという動きもあり、本当に学費の高い大学にいって学位を得る価値があるのか。という疑問も出てきているわけです。

私は、世界のすべての人に教育機会が提供されることがとても大事だと思っているので、こうした新しい試みにはとても関心をもっていて、自分でもできる所から始めようとしています。一方、既存の教育機関も抜本的な改革をしなくては、新しい時代の基盤である人材を育てることができないのではないか、という危機感も持っています。一日24時間しかないので、私自身は今いる大学の中で、自分のできることをすると同時に、前者の新しいやり方を試行錯誤しよう、そうした活動をしている人たちをサポートしようと考えています。

それにしてもこうした問題意識が広く共有され、議論が活発に行われている米国の状況はとても前向きですし、健全だと、うらやましく感じます。日本でもいろいろ新しい試みをしている人たちもいるので、その努力やエネルギーはすばらしいと思いますが、もっと多くの人が、広く、将来を起点として人材や教育の課題を考え、抜本的な解決案のアイディアを自由に議論し、試行錯誤や実験をすることができるようにしたいと思います。

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